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ドリトル先生の落語
第九幕その十二

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「古典を読むのもね」
「難しいんだね」
「日本語は」
「文章も今と違っていて」
「文字も多いから」
「只でさえ文字が三種類あってね」
 そしてというのです。
「難しいのにね」
「文字が今より多いって」
「それも四倍って」
「平仮名がそうって」
「滅茶苦茶厄介よね」
「そうだよ、僕も最初そのことを知って驚いたよ」
 先生は少し苦笑いで言いました。
「全く以てね」
「そうだよね」
「そんなこと普通ないからね」
「それこそね」
「有り得ないからね」
「そう、だからね」 
 それでというのです。
「日本語の古典はだよ」
「学ぶことが難しいんだね」
「どうしても」
「そうした事情があるから」
「その為に」
「そうだよ、これがね」
 本当にというのです。
「古典落語だってね」
「やっぱり難しいのね」
「学んでそれをお話する」
「それにあたっては」
「そうだよ、腰を据えて学ばないと」
 さもないと、というのです。
「中々ね」
「出来るものじゃないね」
「古典落語も」
「そうよね」
「どうにも」
「その通りだよ、しかし思うことは」
 それはといいますと。
「それでも面白いんだよ」
「日本の古典は」
「そして落語は」
「幾ら言葉が難しても」
「そうなんだね」
「だからだね」
「これからもだね」
「学んでいくよ」
 皆に笑顔で答えました。
「是非ね」
「楽しいから学ぶ」
「そして学ぶことは楽しい」
「どんなものでもそうで」
「古典もそうで」
「落語もだね」
「ここで言う落語は古典落語だけれど」 
 それでもというのです。
「是非ね」
「どんどん学んで」
「先生は楽しんでいくね」
「それじゃあ僕達はね」
「その先生と一緒にいるからね」
「宜しくね、しかしね」
 ここで先生はふと気付いてその皆に尋ねました。
「皆どうして日笠さんとは二人でって言ったのかな」
「だからそこも学んでね」
「古典なら源氏物語あるよね、日本だと」
「伊勢物語も更級日記もあるね」
「他にも色々」
「シェークスピアでも書かれてるわよ」
「それは恋愛かな。けれど僕は恋愛は無縁だから」
 本当に気付かない先生です。
「お友達なら皆と一緒の方が」
「日笠さんもお友達だね」
「先生が思うに」
「そうだっていうんだね」
「そうだよ、お友達は二人もいいけれど皆と一緒にいるのがいいんじゃないかな」
 本当に気付かない先生でした、そしてです。
 皆はそんな先生とこの日も日常を楽しみました、それはとても楽しいものでした。
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