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オズのカリフ王
第九幕その十

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「それでその中心にな」
「幾つもの場所にね」
「お堀や城壁で分かれておってな」
「門もあってね」
「見事な天守閣もある」
「そうしたお城なのよ」
「日本のお城はな」
 それだというのです。
「それが何よりもな」
「特徴よね」
「あの天守閣がな」
「王様は好きなのね」
「恰好よくてな」
 そしてというのです。
「奇麗であるからな」
「安土城も大坂城もね」
「あと名古屋城のものもな」
「あちらもいいわね」
「実にいいセンスじゃ」
 日本のお城はというのです。
「それでそこにおるお侍さん達もな」
「好きなのね」
「恰好よいのう」 
 今度はお侍さん達のお話をするのでした。
「あちらもな」
「そうね、私は忍者も好きよ」
「おお、忍者か」
「あの人達もね」
「ううむ、忍者はな」 
 まさにとです、ノーム王は唸りました。
「不思議の塊じゃ」
「忍術を使ってね」
「恰好よ過ぎるわ」
「お水の上を歩けてね」
「水蜘蛛の術でな」
「それでお空もよ」
「飛べるな」
「あれもいいわね」
「オズの国のお空もじゃな」
「あの人達は飛べるのよ」
 ポリクロームがお話しました、今度は塔の中を巡りながらそのうえでお話をしています。塔の中は一階一階が壮麗な美術館になっていて素敵な絵や彫刻が沢山あります。
「私達みたいにね」
「むささびの術であるか」
「それを使ってね」
 そうしてというのです。
「それでなのよ」
「空を飛ぶか」
「高いところから風に乗って」
「飛ぶのう」
「あと大凧にもね」
「乗ってな」
「こちらは飛ばないけれど」
 それでもというのです。
「舞うこともね」
「あるのう」
「そうなのよ、あの人達は」
「実は忍者になりたいとな」
「思ったこともあるの」
「うむ」 
 その通りだというのです。
「一度な」
「わしもじゃ」
 ドワーフ王は忍者の人達が見事な術を使っている油絵を見つつ言いました、その絵も実に恰好いいものです。
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