第三十九話 幼少その八
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「そこから少し行ったらね」
「護刃ちゃん嘘吐かないし」
「それならね」
女の子達は彼女の性格を知っていた、だから疑わなかったが。
ようやく橋のところまで行ってだ、護刃は橋を渡って少し行ったところの弾劾を指差して皆に言った。
「ここを登ったらよ」
「こんなところ登れる筈ないだろ」
「出来る筈ないだろ」
悪ガキ達がすぐに言った、周りは緑の木々が生い茂っていて橋の下の川が流れる声も耳に入ってきている。
「やっぱり嘘じゃないか」
「こんなところ誰が登れるんだ」
「私登れるよ、犬鬼だって」
今も一緒にいる彼も見て言った。
「出来るから」
「また犬鬼って言うけれどな」
「そんな犬何処にいるんだよ」
「本当に何だよ」
「じゃあ崖登ってみろよ」
「うん、それじゃあ」
護刃は跳んでそうしようとした、だが。
女の子達がだ、ここで言ってきた。
「いいよ、護刃ちゃん嘘吐く娘じゃないし」
「逸れに今だって登ろうとしたし」
「それ見てわかるから」
「滝があるって」
「けれど実際に見ないと」
さもないと、とだ。護刃は女の子達に跳ぶのを止めて言った。
「わからないし」
「わかるから」
「護刃ちゃん見ればね」
「まあお前確かに嘘吐かないな」
「そうだよな」
悪ガキ達もこのことは認めた。
「変なこと言うけれどな」
「嘘を言ったことないな」
「じゃああるんだな」
「滝だってな」
自分達は行けないがと納得してだった。
二人も納得した、そうしてだった。
帰ることにしたがここで吊り橋の下で釣りをしていた男の人達のうちの一人の中年の人から言われた。
「子供達だけでこんなところに来るんじゃないぞ」
「どうしてですか?」
「自然が険しくて危ないからだよ」
だからだというのだ。
「絶対にな」
「そうなんですか?私いつも来てますけれど」
護刃は男の人に自分の力を自覚することなく答えた。
「駄目なんですか」
「ここに?嘘だろ」
「嘘じゃないです」
「信じられないな、けれどそんなことはな」
「止めることですか」
「ああ、危ないからな」
だからだというのだ。
「しない方がいいさ」
「そうですか」
「ああ、川の流れも急だしな」
こう言ったところでだった。
上流からちゃらちゃらとした軽薄そうな青年が来た、青年は必死にもがきながら助けを求めていた。
「助けてくれ!」
「まさかこの川で泳いでいたのか!」
「キャンプをしていて」
「川特にこの川は流れが速いんだぞ!」
男の人は青年に叫んだ。
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