第一章
[2]次話
可愛くてもトイレは
小学五年生の霧島花蓮は街を歩けばよくジュニアイドルや子役のスカウトに声をかけられる、そうした娘である。
奇麗な光沢のある黒髪を左右でテールにしていて大きな黒目がちのきらきらとした瞳に形のいい眉と顔、ピンクの唇に白い肌を持っている。兎角整っている。
それでクラスでも人気者だが。
「えっ、花蓮ちゃんでもか」
「トイレ行くのかよ」
「そうなのかよ」
「行くわよ」
花蓮自身がクラスの男子達に答えた。
「私だってね」
「いや、可愛いからな」
「トイレ行かないって思ってたけれどな」
「というか女の子自体がな」
「そうよね」
「そんな筈ないでしょ」
クラスの女子のリーダー格の山田桃がここでこう言った、すらりとしていて背はクラスの女子で一番高い。黒髪をショートにしていて細い目に薄い唇で色白である。
「誰だってね」
「トイレ行くか」
「女の子でも」
「それで花蓮ちゃんでも」
「行かない人いたら」
それこそというのだ。
「漫画でしょ、というか行かないとどうなるのよ」
「出さないと死ぬっていうしな」
「我慢出来なくなって漏らすとかか」
「そうなるよな」
「出さないとな」
「だからトイレがあって」
そしてというのだ。
「男子トイレだけじゃなくてね」
「女子トイレもあるか」
「そうなんだな」
「だから花蓮ちゃんもか」
「行くよ」
花蓮自身も言った、実際彼女も毎日トイレに行っていた。それも必要な時はいつも。
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