第6話
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て、大魔王バーンが魔界に建てた別荘の1つを探し当てた……までは良かったが、
「生憎、バーン様は重大な用件の最中故、今は面会叶わぬ。故に、この部屋でしばし待て」
応対したミストバーンの言葉に怒りを露にしかけたが、もう直ぐ手に入る膨大過ぎる利用価値を有する後ろ盾と地上を支配する権利を感情的な理由で失う訳にはいかないと、現在進行形で大量に湧き続けている怒りを完全に忘れようと努力する。
(生の感情丸出しで戦うなど……その様な知性無き戦いは私ではない!そうだ!私は大魔王バーンを後ろ盾として地上を完全に支配するのだ!)
そんな男の様子を視ていたミストバーンは、心の中でぼやいた。
(動かぬか……自らを参謀タイプの謀略家と見下して自分の手足を動かさないか。それでいて、揺ぎ無き絶対の自信を兼ね備えるか……バーン様を急かすまでもないな)
そう思いつつ、ミストバーンはバーンを呼びに行った。
で、
「見てわからぬか?余は大事な一戦の観戦で忙しいのだ」
ミストバーンの予想通りであった。
(やはりこうなったか)
バーンが観ていたのは……サババの再戦。
これについておちゃらけた(様に見える)事を言うキルバーン。
「観ているだけで良いのかなぁ?勝った方が我々の敵になるだけだと思うけど?」
だが、バーンは動じない。
「それはどうかな?この勝負、アバンの負けで終わって欲しいと思っておるのは、余だけではない筈だが」
何かを見抜かれた気がしたキルバーンが困惑する。
「それは……ハドラーよりアバンの方が……厄介と言う訳ですな?」
「……それだけだと良いがな」
その後も、バーンとキルバーンはくだらない感想合戦を繰り返しながらサババの再戦を観戦し、ミストバーンがそれを見守る。バーンを膨大過ぎる利用価値を有する後ろ盾として利用しようとする男の事など忘れてしまったかの様に……
そしてそれは、バーンの脳内におけるハドラーちゃんと侵略未遂者止まりで終わる危険性が高い男の差であった。
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