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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第174話:理不尽の権化
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自分に向け飛んでくる自分のミサイルに、というか小型とは言えミサイルを掴んで投げ返してくると言うあり得ない光景に戦き動きを止めるクリス。その彼女の前でミサイルが爆発し、クリスも吹き飛ばされていく。
「数をバラ撒いても、重ねなければ積み上がらないッ! 心と意を合わせろッ!」
これで残されたのは透と切歌、調の3人。仲間が次々と倒されていく光景に動きを止めてしまった切歌達に対し、透はまるでクリスの仇と言わんばかりにカリヴァイオリンで弦十郎に斬りかかる。素早い身のこなしで接近し、兎に角相手に動きを捕捉されないようにしながら引っ切り無しに動き回って飛び回り攻撃を仕掛ける。
弦十郎はそれらを全て素手で捌き切ると、一瞬捉えた透の姿に目掛け拳を振るう。
「そこだッ!」
「ッ!?」
弦十郎の拳は見事に透を捉え、彼もめでたく他の仲間達と同じく吹き飛ばされ壁に叩き付けられた。
「速度は申し分ない。だが迷いのある刃では、相手に傷一つ付ける事は出来んッ!」
多分間違った事は言っていないのかもしれないが、しかしその光景を見ていた切歌と調はこう思わずにはいられなかった。
そんなのアンタだけだよ……と。
その2人の心の声が届いたわけではないだろうが、残った2人に弦十郎の鋭い眼光が向けられる。まるで地獄の悪鬼を前にしたかのように、弦十郎と目が合った2人は肩をびくりと震わせる。
慄く2人を前に、弦十郎は地面を強く踏み付ける。するとまるで地割れが意志を持ったように2人に向かって良き、砕けた地面が2人を吹き飛ばした。
こうして、装者と魔法使い計10人は、弦十郎と言うたった1人の生身の人間相手に敗北した。
訓練が終わり、トレーニングルームの景色が元に戻るとそこでは切歌と調が呻き声を上げながらひっくり返っている。いや、2人だけではない。
「「うきゅぅ……」」
「だ〜から嫌だったんだよ、あのおっちゃんの相手は……」
「ひびき〜、つばさ〜、だいじょうぶか〜?」
ただの訓練の筈なのに、誰もがボロボロの状態でトレーニングルームの床に座ったりひっくり返ったりしている。立っている者は誰も居ない。
そんな彼らに向けて、1人ピンピンしている弦十郎が檄を飛ばした。
「忘れるなッ! 愚者の石は飽く迄も、賢者の石を無効化する手段に過ぎんッ!」
「そりゃそうかもしれんけどさ……」
「ここまでする必要、ある?」
クリスの認識は確かに甘いところはあったかもしれないが、しかしそれにしたってここまでボコボコにされる謂れはあったのだろうかと抗議せずにはいられない。しかし颯人と奏の抗議は弦十郎には届かず、それどころか彼は更にとんでもない事を口にし始めた。
「さぁ、準備運動は終わりだ」
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