暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第174話:理不尽の権化
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普通であればどちらか片方の魔法の鎖でも振りほどく事が出来ない拘束を、何と弦十郎は力技で引き千切ってしまったのだ。

「むぅんッ!!」
「「げっ!?」」

「「「「はぁっ!?」」」」

 普段魔法を使うのでバインドの拘束力を知っているガルドを始め、力技で超常的な力を跳ね除けた弦十郎の行動に全員目を見開く。そんな中、弦十郎は自分に向け飛び蹴りを放っている2人に対し、握り締めた拳を突き出し迎え撃った。

「オォォォォッ!!」

 傍から見れば無謀極まりない光景。しかし現実は小説よりも奇と言う言葉を大きく超えていた。彼の拳が2人の蹴りとぶつかり合うと、2人は拮抗する事も出来ず逆に大きく吹き飛ばされてしまったのだ。

「どわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「やっぱりぃぃぃぃぃっ!?」

「ハヤトッ!? カナデッ!?」

 あまりの光景にガルドは吹き飛ばされていった2人を目で追ってしまう。その間に弦十郎は改めて構えを取ると、一気に彼に接近し拳を何度も振るった。

「余所見をするなッ!」
「ちょちょっ!?」
〈ディフェンド、プリーズ〉

 咄嗟に防御魔法で障壁を張るガルドだったが、弦十郎の拳が一発振るわれる度に障壁は大きく震え次第に罅が入っていく。あり得ない光景を前に、ガルドは思わず慄いた。

「嘘だろッ!?」
「フンッ!」
「うぉぉぉぉっ!?」

 トドメの一撃とばかりに弦十郎が力を込めて障壁を殴りつけると、対戦車ロケットすら余裕で受け止める障壁は音を立てて砕け散りその衝撃でガルドは颯人達の後を追う様に吹き飛ばされた。

 早くも3人が弦十郎により吹き飛ばされた光景に、マリアも困惑した声を上げた。

「ど、どうすればいいのッ!?」

 それは二重の意味を持った言葉だった。一応相手は生身であるので、普通に反撃をする事は憚られる。だが現に彼は力技で魔法使い2人と魔法の力を借りた装者を叩きのめしてしまった。こんな化け物を相手にどう対処すればいいのかと、困惑するのも仕方がない。

 だが弦十郎は彼女に考える暇を与えなかった。考えている暇があれば戦えと言う様に、土煙を突き破って飛び出しマリアに向け飛び蹴りを放ったのだ。

「はぁぁぁ、タァッ!」
「きゃあぁぁぁぁぁっ!?」
「マリアッ!?」

 これで4人目。訓練開始からまだ数分と経たない内に4人が、それもたった1人の生身の人間相手に脱落させられた事に、切歌と調の2人は早々に覚悟を決めた。

「人間相手の攻撃に躊躇しちゃうけれど……」
「相手が人間かどうかは疑わしいのデスッ!」

 ここまで現実離れした光景を見て、切歌と調は思わず足踏みしてしまう。その一方で、日々弦十郎から修行を付けてもらっている響は順応性が高かった。弦十郎から直接手ほどきし
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