暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第174話:理不尽の権化
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持つ特異個体が居る訳でもないので最早消化試合も同然に苦も無く殲滅できてしまった。
が、今回のトレーニングは弦十郎発案であり、彼が主導で行うもの。それがただアルカノイズを倒すだけで終わる様なものである筈がなく、アルカノイズの次に待っていた《《その相手》》にマリアが思わず抗議の声を上げた。
「だからって、大人げないッ!」
「なッ……」
「あぁッ!」
マリアの視線の先に居たのは、ジャージ姿の弦十郎だった。普段であればトレーニングルームの外から窓越しにこちらを見ている筈の彼が、軽くストレッチしながら室内に居る事にマリアだけでなく颯人と奏も頭を抱えた。
「今回は特別に、俺が訓練を付けてやるッ!」
「だから、な〜んでアンタはそんなにアクティブなんだよッ!?」
「勘弁してくれよも〜ッ!?」
この2人は以前弦十郎を相手に訓練した事があった。だから言える。こんな理不尽の権化相手にトレーニングなど真っ平御免だと。
だが他の者達は、正直そこまで実感が湧かない。響は弦十郎に師事している立場だが、彼女の場合はアクション映画を共に見てその動きをトレース出来るようにしているだけ。加えて弦十郎が直接戦闘している姿も見た事が無かったので、彼が如何に理不尽な存在であるかを知らなかったのだ。
「遠慮はいらんぞッ!」
「はぁ〜?」
やる気満々な弦十郎に対し、クリスは呆れたような顔をした。幾らなんでも生身でシンフォギアや魔法使いに挑むのはどうなのだと思ったのだ。
そんな中で真っ先に動き出したのは颯人と奏であった。この2人は前述の通り弦十郎の理不尽さを知っている。逃れられないと分かった今、腹を括り一矢でも報いれるようにと先んじて動き出したのだ。
「こうなったら、やられる前にやれだ奏ッ!」
「応ッ!」
〈フレイム、ドラゴン。ボー、ボー、ボーボーボー!〉
〈プリーズ〉
出し惜しみしている余裕は無いと、颯人はフレイムドラゴンとなり奏はウィザードギアを纏って突撃した。いきなり容赦なく全力を出す2人に、流石にマリアは2人を止めようとした。
「ちょ、待って!? 一応相手は生身よッ!」
「んなこと気にしてる場合かッ!」
「旦那、覚悟ッ!」
〈〈バインド、プリーズ〉〉
颯人と奏、2人の魔法の鎖がまだ構えを取っていない弦十郎を雁字搦めにする。身動きを封じた彼に、今が好機と揃って飛び蹴りを放った。
「「いけぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」」
「待って2人共ストップッ!?」
「先輩達やり過ぎだってッ!?」
「師匠逃げてッ!?」
流石に身動きを封じてからの飛び蹴りなんて、生身相手にやり過ぎだとマリア達が2人を引き留めようとした。だが次の瞬間、彼女らはその認識自体が誤りだと気付かされる。
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