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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第174話:理不尽の権化
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た弦十郎はそれに先んじて先回りし2人の逃げ道を塞いだ。
「まぁそう言うな。折角だ、全員参加と行こうじゃないか」
「げっ!?」
「回り込まれたッ!?」
「え? あの、奏も颯人さんも何して……?」
何やら勝手に盛り上がった様子を見せる颯人と奏、そして弦十郎の3人に翼も困惑する。そんな彼女達に対し、弦十郎は会心の笑みを浮かべながらこう告げた。
「全員、トレーニングルームに集合だ」
弦十郎のその言葉に、颯人と奏は逃れられない事を察して顔を見合わせ大きく項垂れた。
勿論他の面々は颯人達の反応の意味が分からず、困惑の声を上げずにはいられない。が、唯一彼の言葉に反抗的な態度を取った者が居た。言わずもがな、クリスである。彼女はこの期に及んでトレーニングの必要性が理解できず、弦十郎に食って掛かった。
「トレーニングって、おっさん! 愚者の石が見つかった今、今更が過ぎんぞッ!」
クリスから言わせれば、サンジェルマン達のファウストローブに対抗する手段である愚者の石さえ見つかれば自分達の勝利は揺るがないと考えていた。現状シンフォギアとパヴァリアのファウストローブに於いて、相手に存在するアドバンテージはイグナイトモジュールの封殺以外に考え付かなかったからだ。決戦機能が自由に使えるようになれば、万に一つも自分達に敗北はないとすら考えていた。
だが弦十郎から言わせればそれは非常に甘い考えであり、そんなクリスの考えを彼は一喝した。
「これが映画だったら、たかだか石ころでハッピーエンドになる筈なかろうッ! 大体にして、愚者の石の有無に関係なく颯人君は一度敗北しているのを忘れたかッ!」
「ぐはっ!? か、勘弁してください……」
痛いところを突かれて颯人が思わず胸を押さえる。他の者達も、颯人が正面からの戦いでサンジェルマン相手に敗北を喫した事を知っている為、それを例に挙げられるとクリスでさえ何も言えなくなってしまう。
そんな彼女達の尻をけ飛ばす様に弦十郎が檄を入れた。
「御託は、ひと暴れしてからだッ!」
こうして、装者と魔法使い達は全員トレーニングルームへと連れてこられた。最先端技術を駆使して造られたトレーニングルームは、データを入力すれば大抵の事は出来る。例えば敵の設定をノイズや魔法使いにしたり、戦うフィールドを街中や砂漠にしたりと自由自在だ。
外部から端末をあおいが操作して颯人達が入ったトレーニングルーム内の景色が変わる。今回は街中を想定したフィールドでの訓練になるようだ。
「トレーニングプログラム、開始しますッ!」
まず最初に彼らの目の前に出現したのは、これまでの戦闘データから再現されたアルカノイズ達。数は相変わらず多いが、特別統率されている訳でもなくまた別に厄介な能力を
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