第158話
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この期に及んで世界を滅ぼそうとした私に、”絆”を説くとはさすがは”剣聖”の娘――――――いや、多くの”絆”と共に混迷に陥ったリベールを2度も救った”遊撃士の中の遊撃士”と言うべきか。――――――其方の気遣いには感謝するが、テオ達に息子を託した時点で、リィンの父親としての資格も捨てている。」
「……………………」
「お兄様………」
「「兄様………」」
エステルの指摘に対して静かな笑みを浮かべて答えたオズボーンの答えを聞いたリィンは目を伏せて黙り込み、リィンの様子をセレーネ、エリゼ、エリスが心配そうな表情で見つめていた。
「だが………自らに課せられた”運命”に諍い、そこまで成長した事――――――よくやり遂げた、リィン。」
「あ…………―――――ああ………俺がこうして今この場にいるのは今の俺の家族であるエリゼ達シュバルツァー家もそうだけど、Z組や灰獅子隊――――――多くの仲間達のお陰だ。でも流石に親子かな……?改めて考えてみると、ちょっと行動パターンが似すぎている気がするよ。」
オズボーンに賞賛の言葉をかけられたリィンは一瞬呆けた後静かな表情で答え、そして苦笑しながらオズボーンを見つめた。
「フフ……自らを犠牲にしがちな在り方か。反論はできぬが……お前は、まだまだ先が長い。己を捨てて他を活かすのではなく、己も他を活かすのを最後まで諦めるな。――――――お前の師の教えも結局はそこに繋がるのではないか?」
「あ………」
オズボーンの言葉を聞いたリィンはカシウスを通しての”剣仙”ユン・カーファイから”八葉一刀流”の”免許皆伝”を認められた時にカシウスが自分に渡した”剣仙”の手紙の内容の一部を思い出した。
――――――激動の時代において刹那であっても闇を照らす一刀たれ。おぬしと魂を共有する同志たち、魂を継ぎし者たちならばできるはずじゃ。
「そうか……そういう事か。……うん、やっと腑に落ちた気分だよ。」
”剣仙”の言葉を思い出したリィンは納得した様子で呟いた。するとオズボーンの肉体は透け始めた。
「……行くんだな?」
「ああ、時間のようだ。親子としての短い邂逅ではあったが………それでも、嬉しかったぞ。」
「ああ……俺もだよ。」
オズボーンの言葉にリィンは静かな表情で頷き
「ミリアム、クレアとレクターにもよろしく伝えておいてくれ。それとユーシス君には、ルーファスが”子供達”の一人になった理由は、己の生まれに”空虚”を感じていた彼は私を”父”と呼ぶ事で、自らの存在意義を証明する為の乗り越えるべき課題と定めた事であった事を伝えておいてくれ。」
「オジさん………うん、絶対に伝えておくね!」
オズボ
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