第九十九話 寝られるだけでもその九
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「あそこまで酷くて人気もないとね」
「かえってですね」
「負けて馬鹿にされる」
「それが常だからですね」
「かえってね」
「ストレス溜まらないですね」
「チームの誰もやる気なくて育成も設備もね」
「何もないですね」
「そんなチームだからね」
「毎年勝率一割台ですから」
「負けて普通、馬鹿にされるのが常だから」
巨人に長所なぞない、世間ではそう言われている。勿論本拠地の一塁側は閑古鳥がいつも鳴いている。
「監督さんもね」
「開き直って」
「だから就任会見でもね」
その時もというのだ。
「どの人も笑って言うでしょ」
「適当にやるって」
「生え抜きの選手しかならないけれどね」
巨人はこの『伝統』を今も護っているのだ、頑迷に。
「とはいっても昔はスター選手しかだったけれどね」
「生え抜きのスター選手ですね」
「その人しかなれなかったけれど」
巨人の監督にだ。
「今はスター選手なんてね」
「そもそもいないですね」
「一人もね」
「皆駄目ですね」
「そんなチームの監督なんて」
「もうストレスはね」
「無くて不眠症もよ」
これもというのだ。
「ないわよ」
「ぐっすりとですね」
「毎晩ね」
「そういえば巨人の選手って試合前練習しないで」
「寝てるわ」
そうしているというのだ。
「相手チームが練習していても」
「自分達はですね」
「その方が身体が動けるって」
そう言ってというのだ。
「それでね」
「ある意味凄いですね」
「それで試合に負けたら」
その後はというと。
「遊ぶのよ」
「豪遊ですね」
「野球よりもね」
巨人の選手はというのだ。
「もう遊びしかもね」
「碌でもないのばかりですよね」
「ギャンブルとか風俗とか」
「お世辞にもすね」
「いい遊びはね」
「してないですね」
「それで朝まで遊んで」
そうしてというのだ。
「練習もね」
「まともにしないから」
「あんなチームなのよ」
「いいところが何もない」
「いつも負けてばかりのね」
そうしたというのだ。
「どうしようもないチームなのよ」
「巨人はそうですね」
「もうあのチームの監督なら」
いいところなぞ何一つないというのだ、その巨人を見て人は驕る平家は久しからずとも栄光は過去のものとも言っている。
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