第九十九話 寝られるだけでもその六
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「修行で寝ない様にしていても」
「悪いことじゃないわよね」
「アインシュタインさんなんて半日寝たそうだし」
一日のうちのだ。
「どうもね」
「十二時間ね」
「そこまで寝ないと」
この偉大な学者はというのだ。
「駄目だったみたいね」
「調子が出なかったのね」
「この人は極端だけれど」
「やっぱり寝ないと駄目ね」
「何でもね」
クラスメイトは理虹に話した。
「あまり寝ないと髪の毛にもね」
「よくないの」
「寝不足だとどんどんね」
「抜けてくの」
「そうも聞いたわ」
「まあそれはね」
理虹はその話を聞いて言った。
「不健康になるから」
「髪の毛にも悪いわね」
「そうなってね」
それでというのだ。
「もうね」
「当然よね」
「ええ」
クラスメイトにも答えた。
「そうなってね」
「ううん、それじゃあね」
「やっぱり寝ることね」
「それが一番ね」
「健康の為にも」
他のクラスメイト達もそれはとなった。
「それで気持ちもよくなるし」
「それだけで幸せだし」
「それじゃあね」
「人間寝ないとね」
「そうよね、よく寝られることは」
理虹は考える顔で言った。
「それだけで幸せね」
「そういうことね」
禅宗の寺の家の娘であるクラスメイトもそれはと答えた、そうした話をした後で理虹は放課後部活に出たが。
部活の時にだ、コーチが言ってきた。
「よく寝なさいね」
「寝ないと駄目ですか」
「当たり前でしょ」
若い女性のコーチは理虹にすぐに答えた。
「満足に動けないから」
「体力が回復してなくて」
「起きてるとそれだけでよ」
睡眠と逆のこの行為はというのだ。
「体力使うのよ」
「そうですか」
「気力もね」
こちらもというのだ。
「だからよ」
「よく寝ることですか」
「ええ、特にね」
「特に?」
「まだ暑いでしょ」
気候の話もするのだった。
「だったらね」
「暑さで体力が減ってるから」
「余計によ」
「寝ないと駄目ですか」
「そうよ」
こう言うのだった。
「いいわね」
「寝ないと駄目なんですね」
「それに寝たら気持ちいいでしょ」
このことも言うのだった。
「幸せな気分になれるし」
「寝るだけで」
「だからよ」
「寝ることですか」
「どんどんね、先生昔はね」
「昔は?」
「色々あって不眠症になった時期があって」
それでというのだ。
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