第百二十話 大きく深くなっていく想いその五
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「小山さんのお心をです」
「その時はですね」
「救ってみせます」
「そうしてくれますか」
「占いは道標であり」
それであってというのだ。
「それで、です」
「救われるものですね」
「その人の心が」
「ですから」
そうしたものだからだというのだ。
「私もです」
「私がそうなった時は」
「必ずです」
「救ってくれますか」
「そうしますので」
だからだというのだ。
「その時は宜しければ」
「店長さんにも」
「そうして下さい」
「その時は」
咲はまた答えた。
「そうさせてもらいます」
「それでは」
速水は微笑んで応えた、そしてだった。
咲は彼のその言葉を記憶に留めたうえで近藤が勤務している交番の前を何気なく通ったり彼を遠くから気付かれない様に知らないふりをして見てだった。
その度に幸せを感じた、それで学校で言うのだった。
「お巡りさんって恰好いいわね」
「えっ、咲っちお巡りさん好きなの」
「制服好きなの」
「そうだったの」
「最近ね」
近藤のことは隠して話した。
「恰好いいって思える様になったの」
「そうなのね」
「そう言われると確かにね」
「お巡りさんって恰好いいわよね」
「制服もそうでね」
「姿勢よくてきりっとしていてね」
「私達を守ってくれてるから」
クラスメイト達もこう返した。
「それも自分を盾にして」
「悪い奴はどんどん捕まえる」
「まさに正義の味方よね」
「それでね」
咲はさらに話した。
「私最近ね」
「お巡りさん好きなのね」
「お気に入りってやつなのね」
「咲っち的には」
「そう、それでね」
咲はさらに話した。
「もっと見てみたいわ」
「ううん、何か今の咲っちって」
「普段と違う感じね」
「というかこれまでと?」
「何か変わったわね」
「変わったかしら」
そう言われてだ、咲は驚いてこう返した。
「私も」
「ええ、どうもね」
「何かね」
「妙に上機嫌でね」
「親しい感じだから」
「そうなの、けれどね」
それでもというのだ。
「私としては別にね」
「変わってないの」
「前から」
「そうなの」
「そうは思わないわ」
自分としてはというのだ。
「本当にね」
「いや、やっぱり違うわよ」
「これまでと比べて」
「明るいというか熱っぽい?」
「そんな風よ」
「熱っぽいって」
そう言われても咲はわからなかった、それでこう言うのだった。
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