第百二十話 大きく深くなっていく想いその二
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「くれぐれも」
「そうですか」
「そこもわかっておいて下さい」
「失恋しても」
「悲しいのは当然です」
失恋すればというのだ。
「それはどうしても。ですが」
「いい思い出、素敵な思い出になる様にしてですか」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「記憶に留めるべきです」
「そうですか」
「はい、あとです」
「あと?」
「小山さんはお一人ではないですから」
咲にこのことも言うのだった。
「覚えておいて下さい」
「だから何かあれば誰かにですね」
「お話されて相談されることもです」
「いいんですね」
「その途中でも後でも」
「失恋しても」
「そうです、信頼出来る人は誰でもです」
それこそというのだ。
「相談されて下さい、そして涙も吐き出したいことも」
「全部ですね」
「出して下さい、そのうえで」
「いい思い出、素敵な思い出にですか」
「されて下さい」
「そうなる様にですね」
咲は速水に言った。
「私もですね」
「されて下さい」
「そうですか」
「ただ恋は盲目と言いまして」
速水はここでこの言葉も出した、よく言われることであるが人は夢中になると周りが見えなくなり恋愛でもそうなるので言われるのだ。
「主観のみになってそうしたこともです」
「出来なくなりますか」
「しなくなるかも知れません」
この場合もというのだ。
「あります、ですから」
「怖いんですか」
「恋愛は。何があっても自分だけにはです」
「ならないことですか」
「それで痛い目に遭った人も見てきました」
咲に遠い目で話した。
「実際に」
「そうなんですね」
「ですから」
それでというのだ。
「小山さんはです」
「そうしたこともですね」
「注意してです」
そしてというのだ。
「恋愛もです」
「していくことですか」
「絶対に独りよがりにならず」
そうしてというのだ。
「周りにお話もされて」
「それでいい思い出、素敵な思い出にですか」
「されることです」
「そうですか」
「そうなれば」
速水はさらに言った。
「人生において非常に素晴らしい経験にもです」
「なりますか」
「そうです、経験からです」
それからというのだ。
「人は成長しますし」
「よく言われますね」
「そして経験するならです」
それならというのだ。
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