夜戦編 蒼き女豹と仮面の狙撃手 第10話
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鹿の考え休むに似たり」、よ。
――なんだと、このクソアマァッ……! 散々ケモノみてぇな声で無様にヒィヒィ啼かされてた雌豚の分際で、デカい口を……! どうやらまだまだ「躾」が足りてなかったみてぇだなァッ!
――うふふっ……脅し文句まで似たり寄ったり。よほど教養が足りていないのね。脳に割く栄養まで、その筋肉に吸われているのかしら?
――こいつッ……! 全身汗だくになってやがるくせに、なぁに余裕ブッこいてんだッ! もう許さねぇ、今すぐブッ壊してやるッ!
――落ち着け、この女豹は最後の最後まで油断ならんぞ。こうして囚われの身になっている今も、虎視眈々と逆転の隙を窺っているに違いない。ノバシェード対策室最強の特務捜査官……真凛・S・スチュワートを甘く見るな。いいか、失神する寸前まで徹底的に責め続けろ。策を練る暇を与えるな。思考を巡らせる時間も無いほど、激しく……念入りに可愛がってやれ。
――……っ!
――言われるまでもねぇ……! この女には散々煮湯を飲まされたんだ、「尋問」の本番はこれからよ! さぁ、まだまだ存分に楽しませて貰うぜぇ!? あんたが完全に屈服して、俺達の奴隷に成り下がるまでなぁあぁッ!
――うっ、あぁあっ、あぁあぁあうっ!? あっ、はあぁっ、あっあっあぁっ、あぁあぁあぁあああーっ!
嬌声にも似た、あられもない悲鳴。為す術もなく玩具にされ、憎むべき敵に弄ばれている無様な姿。そんな自分の醜態が脳裏に蘇り、真凛は口元を歪ませる。
「……くッ」
新世代ライダー達や後輩の救援が無ければ、あのまま下衆な男達に全身を嬲り尽くされ、忌むべき男達に心から「屈服」させられていたのだろう。最終的にはライダー達に救われ事なきを得たが、いつノバシェードに「敗北」してもおかしくない状況だった。
ノバシェードによる苛烈な拷問。その責めに屈し、男達に媚びるようになった自分の姿。そんな幻覚こそが、自分の在るべき姿なのだと何度錯覚しかけたことか。文字通り、正気の沙汰ではない。しかし確かにあの時の自分は、ノバシェードの奴隷に堕とされかけていた。
特務捜査官としてのキャリアが長く、数多の死線を潜り抜けて来たベテランの真凛でさえ、あと一歩で心が「陥落」していたのだ。その手の「経験」が無いヘレンの身体では、ひとたまりもなかっただろう。
彼女が焦ってスタンドプレーに走ることなく、ライダー達を引き連れて真凛を助けに来たのは正解だった。独断専行の常習犯だった真凛では、そうは行かなかっただろう。やはり、彼女は「優秀」だ。
(……屈しないわ。私はもう2度と、誰にも屈服しない……!)
しかし今の真凛はもう、その救援に繋がる力を持った組織に身を置いてはいない。万一、捜査官の身分を
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