夜戦編 蒼き女豹と仮面の狙撃手 第9話
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けでも彼らの真実を覚えていようと、認識票を独り握り締めている。朝陽の輝きを浴びたマリンプロテクターサイクロン号は、その青い船体を華やかに煌めかせていた。
「……!」
――すると、遥か彼方からヘリのローター音が響いて来る。
その音に顔を上げたターボ達の視線の先には、数機の救助ヘリの姿があった。世界を股に掛ける特殊救命部隊「ハイパーレスキュー」。その所属機であるヘリが、ターボ達を乗せたマリンプロテクターサイクロン号に接近していたのである。
「あれは……ハイパーレスキューの救助ヘリですわね」
「あぁ……どうやら、誰かがここに手配してくれていたようだね。しかし、一体誰が……?」
その機影に安堵するGNドライブはG-verYの言葉に頷きつつも、あまりに素早過ぎるハイパーレスキューの動きに「引っ掛かり」を覚えていた。
今回の調査任務は極秘のものであり、新世代ライダー達の中でもごく一部の者しか知らなかったはずなのに、何故彼らはこれほど早くここに来たのか。まだこの場に居る誰も、救援など要請していないというのに。
「あの船がそうか……! 救えるうちに救うぞ、巽!」
「はいはい、分かってるよ隊長」
そんなGNドライブの疑問をよそに、マリンプロテクターサイクロン号の頭上に移動した数機の救助ヘリは、迅速な動きでレスキュー隊員をロープで降下させて行く。ヘリからのリペリング降下で船上に舞い降りた2人の男は、負傷者であるG-verYとタキオンの元に素早く駆け付けて来た。
どちらも鍛え抜かれた屈強な肉体の持ち主であり、特に「隊長」と呼ばれた黒髪の青年は、「絶対に救う」という苛烈なまでに強い意志を宿した瞳で、2人の負傷者を見つめている。その精強な眼差しは、多くの修羅場を潜り抜けて来た「歴戦」の重みを感じさせるものであった。
「ハイパーレスキューの隊長、東方駿介だ。匿名の通報があってここに来たのだが……信じて正解だったようだな」
「同じく、副隊長の巽・D・仁だ。……どんな奴とやり合ったのかは知らねぇが、あんた達がこんな傷を負うなんて……よっぽどやべぇ事件だったらしいな」
ハイパーレスキューの隊長、東方駿介。彼の戦友にして、副隊長でもある巽・D・仁。そんな組織のツートップが直々に出向いて来たところを見るに、彼らも今回の通報内容を重く見ていたらしい。彼らの迅速かつ的確な応急処置を受けながら、タキオンやG-verY達は顔を見合わせていた。
「……匿名の通報だって? あんたが来たということは、百合香……アルビオンからの通報だと思ったんだが」
「いや、俺達も妹からは何も聞かされていない。妹なら今まさに、別の現場でノバシェードと戦っていると
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