第七百二十話 夜の鳥達その四
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「雷を帯びて飛ぶだ」
「ネイティブの伝承のサンダーバードもですね」
「棲息している」
「そうなのですね」
「そうした生きものは二十一世紀の科学や生物学の常識では存在出来なかった」
龍やドラゴンはというのだ。
「とてもな、だがな」
「それがですね」
「稀少な例としてもな」
「棲息していますね」
「星によってはな」
「空を飛び神通力も使いますね」
「超能力ともいうな」
神通力はというのだ。
「それもかつてはな」
「不可能と言われていましたね」
「二十一世紀の常識ではな」
「魔術や錬金術も」
「流石に賢者の石はないと思うが」
あらゆる物質を射のままに自分が望む物質に変えられる石で錬金術の極意の中の極意とされている。
「しかしな」
「かつての常識はですね」
「変わる、未来のことはな」
「その時ではわからないですね」
「今の連合の技術で百年後の連合の技術を語れるか」
大尉は言った。
「生物学もな」
「それは不可能ですね」
「そうだ」
絶対にとだ、大尉は言い切った。
「今の技術は絶対ではない」
「決して」
「学問もな」
そのどちらもというのだ。
「それは常にだ」
「変わりますね」
「進歩する」
そうなるというのだ。
「それで未来を語ってもな」
「意味がないですね」
「世界は四十年で全く異なるものとなる」
そこまで変わるというのだ。
「学問もな」
「それで二十一世紀の生物学ではですね」
「龍やドラゴンは絶対に棲息しないと思われた」
「しかし棲息していた」
「何百メートルもの鯨もな」
「リバイアサンですね」
「巨大な海の獣の名が冠されるまでのだ」
キリスト教では悪魔とさえされている。
「そこまで巨大な鯨もだ」
「かつてはですね」
「棲息出来ないとな」
その様にというのだ。
「思われていたが」
「それがですね」
「やはり限られた星に僅かしか棲息しないが」
「棲息しています」
「そうだ、それでそうしたサンダーバードもな」
雷を身体から放つそれがだ。
「棲息している」
「そうですね」
「ただ流石に飼育が難しくな」
その為にというのだ。
「龍やドラゴンもな」
「この動物園でもですか」
「恐竜は飼育出来ているが」
それでもというのだ。
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