第三十九話 象の神その三
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「まさにな」
「ああ、あの仏さん象の頭やしな」
中里はガネーシャの特徴であるこれのことを話した。
「まさにな」
「そのものやな」
「そやな、どう見てもな」
「仏教はインド起源や」
「それで仏さんもな」
「インド起源が多いわ」
このことを言うのだった。
「お釈迦さんかてそうやしな」
「ゴータマ=シッダルタさんな」
「インドに生まれてるわ」
「それで解脱されてな」
「仏教を開かれた」
「そやったな」
「他の仏さんもな」
釈迦如来や歓喜天以外のというのだ。
「インド起源の仏さんが多いわ」
「そやったな」
「そういえば」
ここで綾乃が言って来た。
「不動明王さんってシヴァ神やったわ」
「ああ、アカラナータやな」
トウェインは綾乃の今の話に乗った。
「あの仏さんは」
「あっちの言葉で言うと」
「それでそのアカラナータは」
「シヴァ神の別の名前や」
「そうやねんな」
「実はうち不動明王さん怖かってん」
綾乃はこのことも話した。
「子供の頃は」
「悪いことしてへんででもか」
施は不動明王をはじめとした明王が魔即ち悪を調伏させる戦う仏であることから綾乃の言葉に対して言った。
「それでもか」
「そやねん、だってお顔が」
「ああ、めっちゃ怖いな」
施が見てもだった。
「あの仏さんはな」
「怖いわ」
このことは事実だというのだ。
「うち子供の頃絵を観て」
不動明王のそれをというのだ。
「怖くて一人で夜寝るとか」
「そういうことはやな」
「出来んかったわ」
こう話すのだった。
「恥ずかしいやろけど」
「いや、それが普通やよ」
羅がそれはないと答えた。
「ほんま怖いかららな」
「不動明王さんは」
「顔がそうで」
「憤怒してるね」
実際に明王の起こった顔を憤怒相と呼ぶ。
「それでそのお顔がやねん」
「怖くて」
「忘れられへんで」
その怖さのあまりだ。
「何でこんな仏さんおるのんって思ったわ」
「というか他の明王さんも凄いからな」
羅は彼等の話もした。
「外見は」
「最初や」
シェリルはこう言った。
「悪魔かと思ったわ」
「キリスト教のやな」
「怖い顔してな」
こう羅に話した。
「後ろに火を背負ってて」
「そんな風やからな」
「仏さんには見えんかった」
とてもというのだ。
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