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第三十八話 場所その九

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「僕は必ずです」
「この戦いで生き残るわね」
「そうします。しかし敵の僕にそう言うとは」
「気になったからよ」
 火煉は微笑んで答えた。
「だからよ」
「言ってくれますか」
「そうよ
 こう言うのだった。
「私はね」
「そうですか、ではです」
「これでなのね」
「僕は下がります」
 撤退するというのだ、戦場から。
「またお会いしましょう」
「え、またね」
 別れの挨拶の後でだった。
 ??も撤退した、火煉は彼を追うことなく神威の気配を探し彼が護刃の方に行ったことを確認して自分も向かった。
 護刃は明らかに劣勢だった、犬鬼の助けを借りて彼の攻撃をかわすのがやっとで攻撃なぞとてもだった。
「かわしてばかりじゃとても」
「グルル・・・・・・」
 着地して困った顔になる護刃の横で犬鬼が前にいる封真を見据えて唸り声を挙げた。護刃はその彼の横に来て言った。
「御免ね犬鬼迷惑かけて」
「クゥ〜〜〜ン」
「早く何とかしないと」
「いや、その必要はなくなった」 
 封真が言って来た。
「もうな」
「どういうことですか?」
「ここにいる地の龍は俺だけになった、二人は下がった」
「そうなんですか」
「それに神威ともう一人の。火煉さんだったな」
「お二人がここに来ていますか」
「だからな」
 それでというのだ。
「俺もだ」
「撤退されますか」
「そうさせてもらう」
「そうですか、では」
「またな、お互い死ななくてよかった」
 封真は微笑みこうも言った。
「今回の戦いも」
「誰もですね」
「本当によかった」
「そうですね。ですが私は」
「いや、闘いは愛後の最後までわからない」
 真顔でだ、封真は護刃に答えた。
「若しかするとだ」
「私にですか」
「俺もやられていたかも知れない」  
 護刃にというのだ。
「君の一撃でな」
「そう言われますか」
「それが勝負だからな、ならな」
「これで、ですね」
「今はお別れだ」
「はい、ではまた」
「会おう、戦いが終わってもお互い生きていればいいな」
 こうも言ってだった。
 封真は後ろに跳んでいった、そうして戦場を後にしたが建設中の高層ビルの中に入ったところで草薙と??に会った、二人はそこで待っていたのだ。
 封真が来るとだ、草薙は彼に言った。
「傷一つ負わせなかったな」
「少なくとも命を奪うつもりはありませんでした」
 封真は真顔で答えた。
「俺も」
「そうなんだな」
「あの娘は神威それに小鳥の友達です」
 だからだというのだ。
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