刺激を求める
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「俺達に賞金首の一人を討伐して欲しい、ですか。」
涼州を出て、旅を続ける俺達。
昼食と旅に必要な物を補充する為に、立ち寄った街で食事をしていると老人に話しかけられた。
その老人はこの街の代表らしい。
既に天の御使いの噂が全国に広がっており、こうして声をかけられたのだろう。
従者として腕が良い事も、知られているようでこのように賊を倒してくれなど、依頼される事も多い。
今回もそのうちの一つだ。
「この近辺に出没する女でして、非常に困っているのです。」
「具体的にはどんな被害を?」
豪鬼がそう尋ねると、老人は豪鬼の顔を見て少し脅えながらも答える。
「は、はい。
行商人の荷物を狙われたり、腕の立つ者達に喧嘩をふっかけたりと、言い出せばキリがありません。」
「行商人の荷物を狙われるのは確かに迷惑ですね。」
月火の言うとおりだ。
この街の近辺にそんな迷惑な輩が出てくると噂になれば、他の行商人はやって来ず、物の取り引きや流通が上手く回らなくなってくる。
そうなると困るのは商人であり、それを買う筈の街の住民。
これもまた一つの負の連鎖に繋がるだろう。
「御使い様達がここに訪れたのも、何かの縁。
どうかお願いいたします。」
「分かりました。
引き受けます。」
老人の言葉に一刀は快く引き受ける。
情報によると、この近くの森にその女が一番出没するという。
何人もの腕の立つ者が、賞金欲しさに討伐に向かったが、ボロボロになって帰ってきたという。
目撃証言だと、髪は黒で服装は蝶を連想させる黒の服装らしい。
話を聞き終えて、戦いの前にご飯を食べながら話し合う事にした。
「相手は中々の使い手と思う。」
俺の発言に全員が頷く。
唯一、美奈だけは首を傾げていたが。
「とりあえず、黎と美奈はここで待機だ。」
『どうして?』
「美奈はまだ子供、お前は武はそれほどだろう。
相手の実力が分からない以上、ここで待機だ。」
「そうよ、黎。
貴方に怪我でもしたら、私は縁を殺さないといけなくなるから。」
「どうして俺が殺されないといけないのか、非常に気になるが、優華の言うとおり。
怪我でもされたら大変だからな。」
俺と優華の言葉を聞いて、頬を膨らませて納得していないみたいだ。
でも、足手まといである事は理解しているらしく渋々と了承した。
そんな訳でご飯を食べ終え、美奈と黎を置いて近くの森に向かう。
森は生い茂っていて、太陽の光が遮断されているのか少しだけ薄暗い。
「かなり広そうね。」
月火が森を見て、素直な感想を述べる。
この中から一人を探すのは苦労しそうだ。
「手分けして探そう。
各々の対処は任せる。
太陽が真上に登っ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ