暁 〜小説投稿サイト〜
我が剣は愛する者の為に
刺激を求める
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瞬間、右肩に強烈な痛みを感じた。

「なっ!?」

驚いて見て見ると、服は裂かれ痕ができていた。
まるで鞭にでも叩かれたような、例えるならそんな痛みだ。
両手を指揮者のように振るうと、俺の身体が強烈な痛み次々と襲い掛かる。
鞭なようなもので叩かれている内に、ネタが見えてきた。
女が振るう腕に合わせて俺は空を掴む。
そこに確かな手応えがあった。

「束ねた糸を氣で強化して、鞭のように使っているんだな。
 少ない糸でここまで強化できるとはな。」

「うふふふ、もうばれちゃうの?
 こんなのは初めてよ。」

両手には氣で束ねた糸が握られていた。
ネタを分かってしまえばどうという事はない。
俺は刀を握り締め、決着をつける。
女は手に持っている鉄扇をこちらに投げてきた。
回転しながら迫ってくる鉄扇を俺は紙一重で避ける。
刀を防ぐ武器が無くなった。
しかし、女は追い詰められたというのに笑みを崩さなかった。
突如両手が前に動かせなくなった。
後ろを見ると、俺の両手首には人が引っ掛けており、それは後ろに飛んで木に引っ掛かっている鉄扇に繋がっていた。
さっきの鞭の攻撃の際に引っ掛けていたのだ。

「高密度の氣を流し込めば、手元を離れても一定時間は強化されたままになる。
 これで両手は封じられた!」

勝利を確信して、氣で強化した拳で俺に殴りにかかる。

「その攻撃は既に読んでいるんだよ。」

最大まで強化した両手で一気に前に引っ張る。
張り切った糸はちぎれ、俺の両手は自由になる。

「な、にッ!?」

最後の最後で余裕の笑みが崩れた。
そのまま刀で女を斬りつけた。
脇腹に完璧な胴が入り、そのまま女は気絶して倒れた。
無論、刃ではなく峰だ。

「縁、大丈夫か?」

「何とかな。
 それより、こいつをロープか何かで縛るぞ。」

ちょうどいいのが見つからなかったので、さっき俺を両手を縛っていた糸を使った。
気絶しているので俺が抱き抱えて、森を出る。
太陽が真上に登った辺りで、全員戻ってきた。
皆、俺が怪我しているのを見て驚いていた。

「縁殿にここまで傷を負わせるとは。」

「いや、こいつの武力はそこまで高くはない。
 でも頭が良い、それもかなりだ。
 ここまでやられたのも、こいつの策があってこそだ。」

星にも言ったが、こいつは武だけを見るなら星には及ばない。
だが、糸と氣を上手く使った戦法は初見だとかなり効果がある。

「この女はどうするの?
 街にでも突き出す?」

本来ならそれが良いんだが、優華の問いかけに俺は首を横に振った。

「とりあえず、目が覚めるまで待とう。」

少ししてから女は目が覚めた。
自分が縛られているにもかかわず、
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