第三十八話 場所その一
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第三十八話 場所
草薙はその話を聞いてすぐに応えた。
「ああ、わかった」
「行ってくれるわね」
「これが務めだからな」
それでというのだ。
「行かせてもらうな」
「それではね」
「それで行くのは俺だけかい?」
草薙は庚に都庁の地下の自分達の部屋の中で問うた。
「今回は」
「いや、俺とです」
「僕も行かせてもらいます」
封真と??も言ってきた。
「そうさせてもらいます」
「三人で行きましょう」
「わかった、それじゃあ頼むな」
草薙はこう二人に応えた。
「一緒に戦おうな」
「そうしてね、時間が来たらね」
そうすればとだ、庚は応えた。
「お願いね」
「それじゃあな、しかしな」
こうもだ、草薙は言った。
「わかってるよな」
「ええ、貴方は戦いはね」
「好きじゃない」
このことを憮然として言うのだった。
「やっぱりな」
「そうね」
「しかし俺も地の龍だ」
だからだというのだ。
「行かせてもらう」
「そうしてもらうわ、この戦いが終われば」
「ああ、俺はもうな」
「戦うことはないわ」
「そうだな、よく自衛官は戦うのが仕事だっていうけれどな」
草薙は庚に真面目な顔で述べた。
「けれどな」
「その実はよね」
「災害救助とか事故とかな」
「そうした時に出動してよね」
「命を助けるのが仕事でな」
そうしたものでというのだ。
「戦うことはな」
「実はよね」
「相当な時だけでな」
「普段はね」
「ああ、そんなことはないんだ」
戦うことはというのだ。
「本当にな」
「自衛官は守り戦う仕事ね」
「そうだ」
その通りだというのだ。
「本当にな」
「だから戦いは好きじゃないわね」
「そうだよ、けれどな」
「戦ってくれるのね」
「そうさせてもらうな」
約束する言葉だった。
「俺もな」
「それではね」
「行って来るな」
こう言ってだった。
草薙は戦場の場所が銀座の時計台であることを確認して時間まで少し離れると言った、するとだった。
??がだ、その彼に問うた。
「何処に行かれるんですか?」
「ああ、いい店を知っててな」
草薙は??に微笑んだ顔を向けて答えた。
「そこに行って来るな」
「そうですか、どんなお店ですか?」
「喫茶店だよ、銀座の百貨店にあるな」
「銀座ですか」
「そこのパフェが絶品なんだよ」
微笑んでこうも言うのだった。
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