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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第173話:守護騎士の怒り
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んでいるならともかく、跳躍しているだけであれば彼にとっていい的だった。

「迂闊だったな!」
「うわっ、ちょっ!? またアンタッ!」
「まぁ、言い得て妙ではあるのは認めるが」
「酷いデスッ!」

 何気にカリオストロの発言に同意したガルドに切歌がショックを受けていると、その隙を狙ってかカリオストロが5条の青い光線を放った。光線は施設の地面に命中する直前で曲がり切歌とガルドに襲い掛かる。それを咄嗟に回避した2人だったが、ガルドは自分が避けた光線が向かう先を見て愕然とした。

 そこには今逃げている最中だった作業員達の背中があったからだ。

「しま――」

 マズイと思った時にはもう遅く、光線は彼らの背を貫きその命を奪い……はしなかった。

 何故ならガルド達が避けた光線が作業員達に襲い掛かるかに思われた直後、光線の前に透が飛び出し彼らを守ったからだ。だが流石にタイミングが悪すぎたからか、4つまではカリヴァイオリンで弾く事が出来たが最後の一つは間に合わず已む無くその身を盾にして防いでいたが。

「!?」
「トオルッ!?」
「透先輩ッ!?」
「チッ、当てが外れたわ。ま、いっか♪ 面倒な魔法使いの1人を押さえられたんだし。これ、誰の所為かしらね?」

 一発でもカリオストロの一撃は強烈な威力を持っていた。事実透はそのダメージから、蹲り立つ事が出来ないでいる。ただでさえ彼は防御力を犠牲に速度を得ているので、その威力はガルド達が受けるよりも大きかった。

「ッ!」
「あ、待て切歌ッ! 挑発に乗るなッ!」

 自分達が迂闊に回避したせいで透が傷付いた。言外にそう言われて冷静さを失った切歌が突撃していくのを引き留めようとしたガルドだったが、彼の声は届かず切歌はカリオストロに向け無策で突っ込み、そして彼女の反撃を受けて大きく吹き飛ばされてしまった。

「あぁっ?!」
「切歌、くっ!?」

 吹き飛ばされてきた切歌を受け止めようとしたガルドだったが、彼女を吹き飛ばす威力の方が高かったのかそのまま一緒に吹き飛ばされてしまった。

 その光景を視界の端で捉えた調が思わず足を止めてしまう。直後、動きを止めた調をこちらはプレラーティのけん玉の珠が襲った。

「切ちゃんッ! ガル、きゃっ!?」
「調ちゃんッ!」

 巨大な玉に殴り飛ばされた調を響が助け起こす。

 一方クリスはと言うと、彼女は倒れた透に駆け寄ろうとする体勢で固まっていた。

「と、透……」

 またしても透は他者を優先して自分を傷付けた。何故そうまでして自分を蔑ろに出来るのかが理解できず、クリスは足に重りが付いたようにその場を動けずにいた。

 それはこの場ではあまりにも大きすぎる隙であり、動かないクリスにプレラーティがけん玉を
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