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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第172話:愚者は悪名に非ず
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その時にはこの物質には何の価値も見いだせなかった事を翼が思い出した。
「とは言え、あの物質にさしたる力は無かったと聞いてますが……?」
「そう、単純に聖遺物関連の技術に当てはめるとこの物質に価値は無いわ。ただ……」
「大勢の人々の命と想いを凝縮して生み出された賢者の石に対して、このガーベッジは響さんという1人の小さな命より生み出されています。つまりその成り立ちは正反対と言えます」
サンジェルマン達が今使っている賢者の石は、ジェネシスがどこかで行ったサバトにより精製された物。それの精製に際して、多くの人々の命が犠牲になったと言うのはアルドらから語られた内容だった。
無数の人々の命の結晶と言える賢者の石。それに対してこの物質は、響という世界から見ればちっぽけな個人から生み出された奇跡の物質と言えなくもない。
了子とエルフナインは今回そこに着目したのだ。
「今回のシンフォギア強化計画は、このガーベッジが備える真逆の特性をぶつける事で賢者の石の力を相殺する狙いがあるわ」
「つまりは対消滅バリアコーティングッ!」
了子の説明が意味するところに気付いた朔也が合点が入ったと言う様に声を上げた。真逆の特性を持つ者同士をぶつけ合わせ、賢者の石が持つ浄化の力を相殺しようと言うのが今回の狙いだった。
「そうです。錬金思想の基本であるマクロコスモスとミクロコスモスの照応によって導き出された解答ですッ!」
「れんきん……しそう……」
漸くサンジェルマン達のファウストローブに対抗できる光明が見えた事に、エルフナインが興奮を抑えきれない様子で説明する。その様子を少し離れた所から見ていたキャロルが、エルフナインの口から出た錬金術用語に僅かな反応を見せたがその事に気付く者は居なかった。
「誰か、解説してほしいけれど……」
「その解説すら分からない気がするデス」
流石に専門用語やら何やらが飛び交うからか、切歌と調は話についていけていない様子だった。が、これはこの2人が特段頭が悪いと言う訳ではなく素直というだけの話だろう。実際、そう言った技術に触れてきた朔也やあおいはともかくとして、装者・魔法使いの中にその原理を正確に理解している者は居なかった。重要なのは賢者の石が持つ浄化の力を無力化し、イグナイトモジュールが使えるようになると言う事なのだから。
「難しく考える必要は無いよ。アタシだってどういう原理なのかはよく分かんないんだし」
「奏さん?」
「ま、あれだ。あれを使えば気兼ねなくイグナイトが使えると思えばそれで十分って話だ」
頭を悩ませる切歌達に奏が細かく噛み砕いて説明してやる。噛み砕くと言うより、それは最早磨り潰すレベルの説明だったがそれでも了子達の言いたい事は2人にも伝わったらしい。
「
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