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星河の覇皇
第八十五部第一章 国防省への忠告その四十三

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「九尾の狐に適うならね」
「日本大使になってもらい」
「そのうえで、ですか」
「対してもらっていますか」
「そうよ、外務省にいなくても」
 その場合でもというのだ。
「スカウトしてね」
「実際にそうされていますね、外相は」
「そうして大使にされていますね」
「その様にされていますね」
「ええ、それで任じたのよ」
 まさにというのだ。
「九尾の狐に対せるだけの逸材をね」
「外務省きっての曲者と言われていましたが」
「その人物を送りましたね」
「そうしたね」
「そうよ、猫は猫でもね」
 狸でも獺でも貉でもなくこの生きものだった、その例えは。
「千年生きたね」
「千年ですね」
「そこまでになりますと」
「それは相当ですね」
「確かに九尾の狐に対抗出来ますね」
「ええ、九尾の狐は千年生きた狐よ」
 それだけの歳月を経てなると言われている、普通に妖力があるとされている狐がそれだけ生きると恐ろしい妖力を持っていると言われている。
「その中で妖力を蓄えて」
「尻尾が九本となり」
「そしてですね」
「妖力は恐ろしいものになっていて」
「国を脅かすまでになっていますね」
「これは日本のお話だけれど」
 伊東のその国であることは言うまでもない。
「九尾の狐は千年生きて中国やマウリアで悪事を繰り返してきたわ」
「およそ二千年に渡ってでしたね」
「中国の商や周で悪事を働き」
「マウリアでもでしたね」
「時の権力者に愛妾として傍に入り」
「惑わしてきましたね」
「そして日本にも来たというわ」
 鳥羽院の傍に来たと言われている。院政を敷かれた方のお一人であられる。
「つまり最低でも三千年は生きているわね」
「千年生きて九尾の狐になり」
「二千年悪事を為してきたとなりますと」
「そうなりますね」
「まさに」
「左様ですね」
「ええ、それだけの存在に対するには」 
 それこそというのだ。
「もうね」
「それこそですね」
「それなり以上の人物が必要で」
「そうなりますと」
「日本大使は」
「千年生きたね」
 この例えをここでも出した。
「九尾猫よ」
「左様ですね」
「まさにですね」
「尻尾が九本ある猫ですね」
「齢千年の」
「これも日本の話よ」
 実は日本の妖怪の話は連合では広く伝わっている、連合屈指の大国であるだけに文化的な影響も相当なものなのだ。それで妖怪の話も知られているのだ。
「猫も妖力を持っているわね」
「狐と同じく」
「狸や獺、貉もそうであり」
「そしてですね」
「そう、それで五十年生きると」
 その時はというのだ。
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