ALO編ーフェアリィ・ダンス編ー
20.ヨツンヘイム
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を握りしめた。
「...........別に、キミたちのためじゃないもん」
「え........」
「あたしが.......、あたしがそうしたかったからここまで来たんだよ。それくらい、解ってくれてると思ってた。何よ、無理に付き合ってもらう、って。じゃあ、キミは、あたしが今まで嫌々同行したって、そう思ってるの?」
涙が出そうになるのを押し堪え、出口の方に向いて立ち上がった。
「あたし.......、今日の冒険、ALOの始めてから一番楽しかった。どきどき、わくわくすることいっぱいあったよ。ようやくあたしにも、こっちの世界ももう一つの現実なんだって、信じられる気がしてたのに.......」
右腕で両眼を拭い、駆け出そうとした時、後ろから手が伸びてきて私をそっと包み込むように抱きしめてくる。
「離して!」
「離さねぇよ.........ゴメンな、リーファ。お前の気持ちに気づかなくて」
耳元で囁くようにシュウくんの声が聞こえる。
すると次の瞬間、異質な大音響が響き渡り、ぼるるるるるぅ、という咆哮......間違いなく邪神によるものだ。
(さっきの叫び声で呼び寄せたんだ、あたしのバカバカ)
シュウくんを手を無理やり解き、せめて囮になって邪神を引きつけようとダッシュしようとすると、キリトくんが左腕を掴み引き留めた。
「離して!あたしが敵をぷるするから、キミたちはその隙に離脱を......」
隣に立つキリトくんとシュウくんが外に鋭い視線を向ける。
「いや、待った。様子が変だ」
「ヘンって、何が.....」
「一匹じゃない」
耳を澄ますと、小さな声も混じっている。掴まれた腕を振りほどこうとした。
「二匹なら尚のことだわ!キミたちがどっちかにタゲられてからじゃ手遅れになっちゃう!死んだら、またスイルベーンからやり直しなんだよ!?」
「いえ、違いますリーファさん」
ユイちゃんがキリト君の肩に乗り叫ぶ。
「接近中の邪神級モンスター二匹は......互いを攻撃しているようです」
「えっ」
「とりあえず、様子を見に行こう。どうせこんな場所じゃ攻撃にも隠れるのにも不便だ」
「そ、そうだね......」
腰の愛刀に手をかけながら、シュウくんとキリトくんに続いて薄闇へと進む。
ほこらの東側に徐々に接近してくる、軽く二十メートルは超えてるであろう、青みがかった灰色の特徴が物語る邪神級のモンスターが二匹。だが、二匹の大きさには差があり、か細い小さな声の邪神の方が一回り小さい。
大型の方はぎりぎり人間のようなタイプで、縦に三つに連なった巨大な顔の横から四本の腕を早した巨人のフォルム。その全ての手には鉄骨のような巨剣が。
対してやや
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