第九十八話 何でも読めることその五
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「作者さんがお亡くなりになってな」
「未完の作品もあるのね」
「ネットでそんな漫画紹介してる動画あったんだよ」
「ああ、ユーチューブーで」
「そっちでな」
「そんな作品もあるわよね」
「作者さんがお亡くなりになるとな」
そうなってしまうと、というのだ。
「もうな」
「それで終わりよね」
「後で描いてくれる人がいないとな」
さもないと、というのだ。
「その時点でだよ」
「未完よね」
「スーパーマンだってな」
アメリカを代表するこのヒーローはそもそも漫画からはじまっているのだ、だがこの作品もというのだ。
「最初作者さんがお亡くなりになって」
「それでなの」
「終わったんだよ」
「そうなのね」
「けれど新たに描いてくれる人が出てな」
「連載再開したのね」
「そうだったんだよ」
留奈にこのことを話した。
「だからな」
「後を描いてくれる人がいないと」
「終わりだよ」
作者さんが亡くなればというのだ。
「小説だってな」
「そっちでもあるわよね」
「ラノベでもだろ」
「実際作者さんがお亡くなりになってよね」
「完結するのかってピンチになった長編がな」
「あったわね」
「俺ゼロの何とか読んでたけれどな」
この作品がというのだ。
「本当にな」
「作者さんお亡くなりになって」
「やばいことになったんだよ」
「そうだったの」
「幸い続き描いてくれる人がいてくれて」
「終わったのね」
「最後までな」
最終巻まで出てというのだ。
「アニメも四期までやってな」
「終わったの」
「無事な」
「それはよかったわね」
「好きな作品を最後まで読めることもな」
このこともというのだ。
「本当にな」
「幸せなことね」
「まあ連載中に自殺する人もいたな」
「それ太宰治よね」
留奈はその話を聞いてすぐにこの作家の名前を出した。
「そうよね」
「ああ、人間失格書き終えてな」
「グッドバイ連載してたけれど」
「もうな」
「その作品は置いておいて」
「それでな」
自身の人生を書いたと言われる人間失格をというのだ。
「終わったんだろうな」
「太宰としては」
「どっちにしろ長生き出来なかったしな」
自殺せずともというのだ。
「結核だったから」
「相当酷くなってて」
「もうな」
それこそだったというのだ。
「自殺しなくてもな」
「長くなかったのね」
「絶対な、もう血を吐いてたっていうしな」
人間失格を書いていた頃はだ、この頃太宰は志賀直哉批判で知られる如是我聞も書いていて同時期に発表されている。
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