敢闘編
第七十ニ話 戦いの後
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いんじゃだいぶ酷いぞ。時期的にはまだ外伝の頃だからあまり詳しくないけど、帝国内で色々物事が動くのはやはりラインハルトが宇宙艦隊副司令長官になってからだな…。という事はヤツに功績を立てさせてなければいい訳だから…といってもこればかりは帝国の都合だからなあ。何故か知らんがヒルデスハイムが正規軍に復帰していて、しかも中々の精鋭部隊を率いているという悪夢の様な状況だ。しかも今回も前線に出ている、となるとかなり重宝がられているんだろう。ラインハルトは功績立て放題って事だな…。
帝国暦484年7月23日21:00
ヴァルハラ星系、オーディン、銀河帝国、ブラウンシュヴァイク公爵邸、
ラインハルト・フォン・ミューゼル
宇宙艦隊司令長官ミュッケンベルガー元帥への帰還報告が終わった後、ヒルデスハイム伯と共にその足でブラウンシュヴァイク公爵邸に向かう事となった。何度か足を運んだ事はあるが、いつ来てもここは落ち着かない。貧乏性なのだろうが、広すぎるのだ。この邸宅を掃除する使用人達の苦労を考えるとやりきれなくなってしまう。
「待たせてしまったな」
そう言いながら応接間に入って来たのはブラウンシュヴァイク公だった。そして公を先頭にアンスバッハ准将、シュトライト大佐、フェルナー大尉、そしてキルヒアイスと続く。キルヒアイスが軍用宇宙港に姿を見せなかったのはこの会合のせいだったのか…。
「ますは無事の帰還、祝着至極と言わねばならんな…ご苦労だった。帰還した早々に集まって貰ったのは他でもない、例の手紙の一件だ」
そう、帰って早々に此処に呼ばれるとなると、あの一件しか心当りがない。キルヒアイスがこの場に居るのもそうだし、艦隊の人間では俺一人しか呼ばれていない。ヒルデスハイム伯爵家の人間としてアントン、ベルタ両提督も呼ばれてもよさそうなものだが、そうではないとなるとやはり余人には聞かせられない話なのだろう。余人には聞かせられない話でも、俺の所にも手紙は届いているし姉上の身内でもある、だから呼ばれたのだろう。
「フェルナー、始めてくれるか」
「はい」
始めろ、と言った公の顔は済まなそうな、情けなさそうな、それとも諦め顔と言った方がいいのか、複雑な表情だった。傍に控えるアンスバッハ准将達も表情が硬い。
「結論から申しますと、今回の件はベーネミュンデ侯爵夫人は関係ありません…全く関係無い訳ではありませんが」
そこでフェルナー大尉は言葉を止めた。皆の視線が俺を向く。
「…しかし、害意はあったのではないのか?無ければあの様な手紙がばらまかれはしないと思うが」
俺の反論に再び大尉が口を開いた。大尉がブラウンシュヴァイク公をチラリと見ると、公は軽く頷いた。続けろという事だろう。
「嫉妬深い方ですからね、侯爵夫人は。害意はありましたがどちらかと言うと妄想
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