敢闘編
第七十ニ話 戦いの後
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「第一、第二、第十二艦隊を引率してハイネセンに帰投せよ。貴官の元の部下も一緒にな。ハイネセン到着後に貴官の総参謀長としての任を解く。任務完了報告はシトレ閣下に行いたまえ」
「はっ。ウィンチェスター准将、第一、第二及び第十二艦隊を引率しハイネセンへの帰投の任務に就きます」
7月11日08:05
イゼルローン回廊(アムリッツァ側)、自由惑星同盟軍、
戦艦ケンタウリ、
ヤマト・ウィンチェスター
「各艦隊司令官から定時報告、各艦隊共に異常ありません」
「了解」
「あの、閣下」
「何だい、ローザス中尉」
「お言葉ですが、あまりだらけ過ぎるのもどうかと…」
「だらけている様に見えるかい?」
ミリアムちゃんは無言で俺の顔を見ている。起きているだけマシとは思わないか?ヤンさんなんか自室で寝てるんだぞ?ワイドボーンとオットーも自室で三次元チェス、マイクはこの艦の陸戦隊員と装甲服着て模擬戦、可哀想にフォークとスールズもそれに付き合わされている。アッテンさんとカヴァッリ姉さんは食堂でウイスキーやらワインやら抱えてるし、俺のどこがだらけてるんだ?誰一人として艦橋に居ないんだぞ?あいつ等に比べたら俺なんかだいぶマシだろうに…。
「…考え事をしてたのさ。だらけている様に見えたなら俺の人徳不足なんだろうなあ」
「そ、そうでしたか、失礼しました」
「中尉も座ってていいよ」
「ありがとうございます。では何か飲み物をお持ちしますね」
「いいね、じゃあ紅茶入りブランデーを」
「…了解致しました」
ハイネセンに戻ったら…汚職摘発の件もあるし少将は確実だな。ヤンさん達も昇進は確実だろう。今回戦った艦隊司令官達はどうなるんだろうか。でも中将になったばかりの人達も結構居るからな、自由戦士勲章の授与とかになるんだろうな。それはさておき、戻ったらどうなるんだろう。いつまでも高等参事官なんて役職で居られないだろうし、結果として目立ってるからな、こんな肩書は意味がない。どこぞの艦隊の分艦隊司令でもやるのかな…。二十四で少将…とんでもない、もう上の階級は三つしかないじゃないか。単純に考えてあと三十五年は軍人やらなきゃいけないんだぞ?どこか閑職はないものか…ヤンさんが辞めようとしていた気持ちがよく分かる。主義主張や能力の前に、この先三十年以上も戦争しなきゃいけないなんて気が遠くなるよ…。
「お持ちしました、どうぞ」
「ん、ありがとう」
…ブランデー入りの紅茶になってる、こういう時はほぼブランデーにするのが目先の利く副官ってもんだぞ、ミリアムちゃん…。
しかし帝国は何であんな中途半端な兵力で攻めて来たんだ?やはり国内がまとまってないのか?内政問題から目を逸らす為に外征する、ってのは昔からよくある話だけど、その外征すら中途半端にしか行えな
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