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儚き運命の罪と罰
第二章「クルセイド編」
閑話「コラボwith銀の守護騎士」その一
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王の懐刀。嘗ての百日戦没にて多大な功績をあげ、電撃作戦にも参加。常に前線に在り続ける姿は味方に希望を、敵に絶望を与え続けた。
白烏(びゃくう)。純白の翼を掲げる悪魔。
紛れも無い、『剣聖』カシウスと並んで評されるリベールの英雄だ。間違えようも無い。
そして此方はエレギオも実際に見た話だがその剣技は圧倒的でコレはエレギオの目算だが単純な武術のみで恐らくリベール最強クラスだろう。また純白の翼なんて物は知らないが恐らく何らかの異能は持ち合わせていると見て間違いない。あんまり知られてはいないが眼が紅く変色するとの情報もある。そしてその眼は奇跡さえも呼び起こすとか。
無論尾ひれは付いているかも知れない。情報は全てエレギオが自分の手で手に入れた物ではないし見た事があるのは剣術の一端のみ。
だがそれでもコレだけは言える。

ケイジ・ルーンヴァルトは大陸最強クラスの化け物だ。

とても一介の傭兵がどうにかできる相手ではない。真正面から彼の相手ができる人間などこの国にはもう一人の英雄であるカシウスしかいないだろう。
最早唯の人探しではない。コレはもう超S級の依頼だ。『白烏』と戦闘なんてことになったら命が幾つ有っても足りない。当然断るのが懸命だ。
だが――――――

「白烏、か。まあ良いだろう」

今のエレギオに仕事を選ぶ権利はない。例えその仕事がSランクの難易度を誇るとしても。ここで引く訳には行かないのだ。……そこだけ聞けば少しは格好良いのだが

(さーて、こんだけの大仕事なんだ。当然報酬もがっぽり貰えそうだ)

傭兵の誇りなんてものではなく、そんな風に頭の中で算盤を弾いていたのだ。

−−−−−−−−

「んで、さ」

改まってクローゼの方にエレギオは向き直った。机の上には一枚の紙がおいてある。契約書……確かに依頼を引き受けた、と。エレギオは紙に筆ペンで書く古めかしい契約の方法が好きだった。

「ざっとでいいから事情を聞かせて貰いたいんだけど、良いよな?」

「…………ハイ」

クローゼから聞いた話を纏めると次のようになった。

この少女クローゼ・リンツとケイジ・ルーンヴァルトは幼馴染なのだそうだ。そしてこの間のクーデターの際にもひょんな事から一緒に闘うことになったのだと言う。
ついこの間までは二人でジェニス王立学院に通っていいると言うのには流石のエレギオも驚いた。ジェニス王立学院は名門だが如何に名門と言えど普通軍の大佐が学校に通うか?と言う疑問である。ともかく何ら何時もと変わり無かったのだと言うのだ。
ところがクーデター事件の直後。突然ケイジは彼女の目の前から姿を消したのだと言う。

「『俺の幻影(かげ)は追うな……お前には辛すぎるだけだ』……ケイジは最後に、そう言って去って行ったん…です」


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