第二章「クルセイド編」
閑話「コラボwith銀の守護騎士」その一
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語使うから」
「あ、いえ大丈夫です。そっちの方が何だか自然だし聞きやすいですよ」
「お、そうか。そりゃあ助かる。それで依頼内容は?」
このクローゼという女の子はかなり裕福な暮らしをしているのだろうとエレギオは踏んでいたので護衛じゃないかと思った。と言うのも彼女の服装はリベールの名門ジェニス王立学院の制服だったからだ。ちょっとした仕草にも育ちのよさが表れている。
「……人探しを頼みたいんです」
「人探し?」
逆にその答えは最も予想から外れていた。育ちがいいのならばかなりの伝手が親なり先生なりとある筈だろう。そうでなくとも傭兵よりは遊撃士か軍に頼むような話だとエレギオは考えている。
だがエレギオは内心でガッツポーズをした。人探しは彼がもっとも得意とする分野だからだ。たとえ相手がA級の遊撃士だろうとエレギオは100%見つけられる自信がある。早くも依頼完了して金を受け取る自分まで見えてくる。もういっそのこと前払いにしてもらおうかとも考えたがそれは流石に図々しいと心の中でその案を却下した。
「ふーん、その人って元カレかなんか?」
「も、元じゃないです!」
「こ、これは失礼」
小さくなって頭を下げたエレギオだったが、その頭の中には
(カレ、の方は否定しない訳ね)
そんなデバガメ的な思考が渦巻いていた。
「……もう」
「ははっ、悪かったよ。それで本題なんだが……ソイツの名前はなんていうんだ?」
「………驚かないでくださいね?」
「驚かねえよ(仕事が来た以上の驚きなんてあるかい)」
「ケイジ・ルーンヴァルト」
「へえケイジ・ルーンヴァルト君、ね。名前はあんま珍しくねえな。そんでもって苗字は……へ?
『ルーンヴァルト』?」
クローゼはしっかりと頷いてエレギオは思わず天井を振り仰いだ。
……この話がS級の厄介事だといつもの彼ならその名前を聞く前から気づけたかもしれない。
だがヒマで死にそうになっていた彼にとっては依頼人が来たと言う事実自体が劇薬染みた代物であっためそんな余裕は何処にも無かった。
総合してエレギオ・ツァーライトは。
物凄く不幸だった。
−−−−−−−−
傭兵家業にとって情報と言うのは生命線である。エレギオも慢心することなくコツコツと情報屋には通っているし新聞も10年分は保存している。最先端から迷宮入りしてしまった事件まで網羅できてはいるのだ。
「あ、あのさ」
「何でしょうか?」
「ケイジ・ルーンヴァルトってさ……もしかして『白烏』?」
「……………ハイ」
ケイジ・ルーンヴァルト。階級は十七歳にして王国軍大佐で更には王国王室親衛隊の大隊長と言う異例中の異例。その事からも分かるとおりリベール女
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