第二章「クルセイド編」
閑話「コラボwith銀の守護騎士」その一
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一人立ち止まる。
確かにエレギオが夢にまで見た依頼人だった。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ」
ところが当のエレギオは手も届かないような希望が一気に現実に落ちてきた反動で言語中枢に何らかのバグが発生してしまったらしい。あ行を途切れ途切れに連呼する彼を流石に依頼人の少女も不審に思ったのか明らかに疑っている眼でエレギオを見た。
「えーと、ここはエレギオ・ツァーライトの事務所で合ってますよね」
「お、お、お……そうだけど」
漸く調子を取り戻して普通の口調に戻る。やっと現実が正しく認識できたのだ。努めて普通の口調で話しているが内心では「遂に俺の時代がキターーーーーーーーーー!!!!!!」と絶叫している少年がここに一人。まあ事実上の無職と言うのは外聞は良くても保障が受けられない以上ホームレスよりある種辛い物があるのをこの一ヶ月近くで思い知った彼がそうなるのも無理はあるまい。
「それで、依頼か?」
「あ、はい。それでその………エレギオ・ツァーライトと言う方はどちらに…」
エレギオは黙って自分を指差した。何だか口を開いたら余りの嬉しさに叫んでしまいそうな気がしたからだ。
「え、貴方が?」
コクッと一回だけ頷いた。
「あ、そうなんですか!よかったぁ……」
そう言ってその女の子はホッとしたように来客者用の椅子に腰掛けた。エレギオからしてみたら「いえいえ『よかったぁ』此方の台詞でございます。だってお客様は神様ですから!」と言ってやりたい位に嬉しい。もし今この少女から求婚されたら何の躊躇いも無く受け入れられそうなほど。そして勿論彼女いない歴=年齢のエレギオにそんなステキイベントは無い。
「あ、あの……私」
「ん、どうかした?」
「傭兵の方に依頼を頼むのは初めてで……こう言った時何を言えばいいのか……」
「………とりあえずお茶でも飲む?粗茶しかないけどさ」
「え、でも……」
「順を追って説明してやるから、さ。ホレ飲みな」
「あ、ありがとうございます……」
そう言ってエレギオの入れたお茶を口にして、漸く落ち着いたような様子になった。それを見てエレギオはやっと頭が正常に回り始めて話を聞くと言う基本的なことを漸く思い出した。
「まあ自己紹介から。改めてエレギオ・ツァーライトだ。見ての通り傭兵やってる、お前は?」
「私はクローゼ。クローゼ・リンツと言います」
丸でお見合いでもしてるかのようにガチガチに緊張していた二人は漸くお互いのペースを整えた。すかさずエレギオが切り出す。
「それで、依頼内容を聞かせて貰いたいんだけど。
あ、先に言っとくけど遊撃士とは違って俺は依頼人だろうとこんな口調で話すんだが、
それが嫌だって言うなら言ってくれ。頑張って敬
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