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ドリトル先生の落語
第八幕その五

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「よかったです」
「よかったですか」
「はい、本当に」
 こう言うのでした。
「ではご一緒に」
「それでは」
 先生は笑顔で応えました、ですが。
 その後で、です。先生は講義に出てティータイムも楽しみましたがここで動物の皆は先生に困ったお顔で言いました。
「全く」
「先生は相変わらずだね」
「気付かないままだから」
「やれやれだよ」
「本当にね」
「もうちょっとね」
 呆れた様に言います、それも皆で。
「わかってくれたら」
「そうだったらいいのに」
「それがわからないから」
「自分のことはね」
「皆日笠さんのことはいつもこう言うけれど」
 先生は紅茶を飲みつつ言いました。
「何かあるんだね」
「あるから言うんだよ」
「私達にしてもね」
「それもいつもね」
「そうしているんだよ」
「そうなんだね、しかし日笠さんは何かね」
 あらためて言う先生でした。
「春琴さんをかなり気にしていたね」
「それは当然だよ」
「先生とお知り合いなら」
「同じイギリス生まれだし」
「尚更だよ」
「同じ国に生まれても」
 それでもとです、先生はティーセットを見つつ言いました。今日のセットは上段はドーナツ中段はチョコレート下段はプリンとなっています。
「別にね」
「これとってなんだ」
「何もないんだ」
「先生からしてみれば」
「僕は女性とのお付き合いはね」
 そうしたことはというのです。
「全くね」
「縁がない」
「そうだっていうんだよね」
「それで春琴さんともだね」
「何もないんだね」
「ある筈がないよ」
 それこそというのです。
「僕はね、幸いお友達には恵まれているけれど」
「それでもだね」
「交際相手にはならない」
「そうしたことに縁がないから」
「それでだね」
「そうだよ、僕がもてることはね」
 女性に恋愛相手と思われてというのです。
「絶対にないよ」
「もてたこともない」
「子供の頃から」
「太っていて運動神経もない」
「それでだね」
「そうだよ、僕は全くね」 
 先生はさらに言います。
「もてないよ」
「そう言うね」
「先生としては」
「それで今もだね」
「日笠さんもお友達だね」
「春琴さんもね、皆いい人達で何よりだよ」
 お友達として言うのでした。
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