第3部
ジパング
勇者☆ミラクルチェンジ
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
三時間が経過していた。
「どうしたんだろ、二人とも……」
船は村の入り口近くに停泊しているので、数十分ほどで着く。往復しても一時間程度で済むはずなのだが、どういう訳か二人は一向に戻ってこない。
待っている間私とナギは、流石に外に出ると目立つので(特にナギ)、ヒイラギさんの手伝いをすることにした。
ちなみにヤヨイさんは日が昇ると同時に例の納屋へと行ってしまった。明るいうちは村人に見つからないように、ずっと地下の壺の中で過ごしているらしい。
早く彼女にはこんな生活をやめさせてあげたいのだが、あの二人が帰って来ない以上対策も立てられない状況だ。
「大方陰険勇者が駄々こねてて、上手くいってねえんじゃねえの?」
ナギの指摘に、あながち間違ってないかもしれないと思ってしまう。
そんな中、私はナギと二人でこの国特有の履物である『ゾウリ』というものをヒイラギさんに教わって作っていた。初めて見るものを作るのは難しいが新鮮でとてもやりがいがあり、気づけば二人で五足以上も作っていた。
「大変だあ!! 女神さまが現れた!!」
すると突然、どこからともなく聞こえてきた村人の声に、私とナギはそろって開けっ放しの戸口の方に顔を向ける。
「どうしたんだい? ロクタさん」
家の外にいたヒイラギさんが尋ねると、ロクタさんと呼ばれた男性は興奮した様子で顔を紅潮させていた。
「どうしたもこうしたも、村の入り口から見たこともないほど綺麗な女の人がやってきたんだ!! あれはきっと女神さまに違いない!!」
するとロクタさんの声に反応したのか、近くにいた別の村人もやってきた。
「おらも見た! 昨日見た神様の御使いの方も一緒だった!あれは絶対に我々の国を作ってくださった女神様だべ!」
昨日見た神様の御使い? もしかして……。
次第に広がる外のざわめきとともに、遠くから人だかりが近づいてきた。なぜ人だかりがこちらに近づいてくるのかというと、人を集めている張本人たちがこちらにやって来ているからだ。
予想通り、一人はシーラである。だが、一緒にいる女性は誰だろう? 確かにものすごい美人だが、どこかで見たことがあるような……。
『ああああああっっっ!!??』
突如上げた私とナギの絶叫に、ヒイラギさんたちはただただ目を丸くしていた。
「ちょっとシーラ!! 一体どういうこと!?」
ヒイラギさんの家に着くなり、私はシーラに何事かと詰め寄る。
「ふっふっふ☆ やっとアルヴィスの意志を継ぐことができたよ♪」
「アルヴィスの意志って……、あ!」
アルヴィスの意志……。そう、それはユウリにお化粧を施すことであった。
以前アッサラームにあるアルヴィスのお店を訪れたユウリは、なんやかんやでアルヴィスにお化粧を施された。そこで話は終わったか
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ