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八条学園騒動記
第七百十九話 国鳥その二

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「戦争となりますと」
「対外戦争だな」
「左様ですね」
「そしてその相手はな」
「エウロパですね」
「そうなる」
 必然的にとだ、そうした言葉だった。
「まさにな」
「そうですね」
「日本が戦争になるということはな」
「エウロパと戦うことですね」
「ひいてはだ」
「日本は連合の中にあるので」
「連合がだ」
 まさにこの国がというのだ。
「エウロパとだ」
「戦うことになりますね」
「そうなると思ってだ」
「いいですね」
「そういうことだ」
 こう上等兵に話した。
「雉にはだ」
「そうしたこともですね」
「あるのだ」
「桃太郎に出て来るので」
「雉は尚更な」
「日本人にとってはですね」
「特別な鳥だ」
 そうした立場になっているというのだ。
「そのうえで国鳥だしな」
「尚更ですね」
「そうなのだ、ただな」
「ただ?」
「雉も食べる」
 大尉はこのことはやや憮然として話した。
「連合の者達はな」
「この鳥もですか」
「日本人もな」
「自分達の国鳥まで」
「だから空を飛ぶものはな」
 そうしたものはというと。
「飛行機以外はだ」
「全て食べるのですね」
「そうした国だからな」
「雉もですか」
「食べる、先程観た始祖鳥までだ」 
 文字通り最初の鳥であるこの鳥もというのだ。
「食べるのだ、またこの小さな鳥もだ」
「雀ですね」
 上等兵は雉と共にいる茶色と白の丸々とした小さな鳥達を観て応えた、大尉が指差したことも気にしないでチュンチュンとコーナーの中で飛んだり止まったりしている。
「日本では多いですね」
「街にも多いな」
「はい、この鳥もですか」
「連合では食べてな」
「日本人もですね」
「食べるのだ」
「そうなのですね、しかし」 
 上等兵は雀達を観て怪訝そうな顔で述べた。
「小さいので食べるところがです」
「あまりなさそうだな」
「骨が多いのでは」
「実際そうだが食べるとな」
「美味しいのですか」
「そうらしい」
 こう上等兵に話した。
「何しろ鼠も食べるのだ」
「あの小さな生きものも」
「そして蛙もな」
「それは先程もお話しましたが」
「小さいがな」
「食べるのですね」
「食べられるならな」
 それならというのだ。
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