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神々の塔
第三十八話 江戸桜その五

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「その人の主観やろ、主観全開で人の好み否定するのはな」
「あかんことやな」
「それ織田信長さんに言ってみるんや」
 この人物も同性愛者でもあったことで有名である、森蘭丸だけでなく前田利家や蒲生氏郷もそうした相手であった。
「この人実は結構優しくてな」
「カッとなる人やなかったな」
「それで別に同性愛あかんって言われても怒らんやろけどな」
 最近までの創作であった短気で苛烈で残虐な信長像は否定されていてだ、事実家臣や領民に屋しい手紙や言葉をかけたことが知られている。
「けど相手にされんわ」
「何を言うてんやで終わって」
「アホやろとか思われてな」
 その信長にというのだ。
「まあそれでな」
「終わりやな」
「相手にされんで摘まみ出されてな」
「終わりやな」
「新選組に言うてもな」
 近藤勇が同性愛が多いと手紙で書いているのだ。
「切られもや」
「せんな」
「やっぱりアホなこと言うてるでな」
「摘まみ出されるな」
「別に勤皇の志士でもないとな」
 彼等の取り締まりの対象でもなければというのだ。
「相手にされんでな」
「それで終わりやな」
「ほんま同性愛はな」
「日本では罪やないな」
「日本の歴史長いけど」
 綾乃も言ってきた。
「同性愛が元で起こった事件で捕まる人おっても」
「同性愛自体ではやな」
「全くやで」
 それこそ誰一人としてというのだ。
「おらんで」
「問題ないと思われてやな」
「それで同性愛者の人のお店もあって」
 そうしてというのだ。
「そのうえでやで」
「この世界でもやな」
「幸いこの世界同性愛に五月蠅くないし」 
 厳しく反対する意見があっても稀であるのだ、キリスト教やユダヤ教といった宗教の過激派位である。
「星の子も趣味はなくても」
「自分は自分やな」
「皆そうした考えやし」
「そうしたお店も認めてるな」
「法で。こっちも否定したら」
 同性愛もというのだ。
「問題あるし」
「せんな」
「こうした場所かて」
 綾乃は遊郭も見回して話した。
「禁止したら逆にあかんから」
「そや、酒場も禁止したらあかんかったわ」
 メルヴィルが忌々し気に言ってきた。
「我が国でそれやってな」
「逆に悪いことになったし」
「禁酒法な」
 一九二〇年代のアメリカのこの法律の話を綾乃にした。
「あれやってな」
「マフィアが大儲けしたね」
「お酒密輸してモグリの酒場営業してな」
「アル=カポネさんとか出たから」
「逆にや」
「大変なことなったね」
「風俗店も一緒やな」
 トウェインも言って来た。
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