第三十八話 江戸桜その一
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第三十八話 江戸桜
今度の階は遊郭を思わせる場所だった、頂点で照らされた左右に様々な店が並びそこから着飾った女達や音楽、声が見えて聞こえてくる。
店からは何も攻撃は来ない、だがリーは警戒を怠らず言った。天井は漆黒で瞬きもありまるで夜空だ。
「遊郭みたいやな」
「そやな」
羅はリーのその言葉に頷いた。
「この階は」
「遊郭も迷路か」
「そうなるってことやな」
「敵は相変わらず出て来るしな」
「何処からともなくな」
「屋根の上から来るとかな」
トウェインは先程の戦闘、彼が一蹴したそれの話をした。
「普通やしな」
「ああ、遊郭もまた迷宮やな」
施が尿意棒を両手に持って構えつつ応えた。
「華やかな様で」
「それでいてな」
「いや、お店の中に入ると」
どうかとだ、メルヴィルは右手の店を見て言った。
「それはそれでな」
「下の二つの階がそうだったわね」
アレンカールが言ってきた。
「廊下とお部屋、襖で造られた」
「迷宮やったな」
「そやったわね、まあ花魁さんやお客さん達がいても」
そして店の者達がだ。
「いてるだけでね」
「その人達は攻撃せんけどな」
「迷宮を担っているわ」
その一部をというのだ。
「まさに」
「遊郭は遊郭でややこしいな」
中里も周囲を警戒しつつ述べた。
「何かとな」
「ほんまや、しかし考えたもんや」
リーは中里に応えこうも言った。
「中々な」
「遊郭を模してやな」
「迷宮の一階にするなんてな」
「ほんまやな」
「ああ、華やかやが」
遊郭の中はというのだ。
「しかしな」
「迷宮にもなるんや」
「そやな、こうして歩いてるだけで」
遊郭が模された階の中をというのだ。
「下手したら迷う」
「そこまで考えてやな、そして」
リーはさらに話した。
「何故遊郭の階があるか」
「そのことやな」
羅は店の花魁達が姿を見せているそこからだ。
出て来たのっぺらぼうを両手に持って青龍偃月刀で一閃してそれで倒してからリーにあらためて言った。
「神霊さんと関係あるな」
「次の神霊さん達はや」
その彼等はというと。
「助六さん達や」
「ああ、歌舞伎や浄瑠璃のな」
メルヴィルは左手から来た化け猫をタスラムからエネルギーを放ってそれで一撃で倒してから言った。
「登場人物やな」
「そや、あの作品の舞台は吉原や」
「まさに遊郭やな」
「それでや」
その為にというのだ。
「この階は遊郭や」
「そういうことやな、華やかでもな」
施は上から来た天狗の日本の江戸時代の町人の服を着た闘士を如意棒で倒してからそのうえで応えた。
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