第九十七話 食べられる幸せその七
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「何かしらの災害にね」
「遭う可能性あるわね」
「特に地震ね」
「一番危険なやつね」
「地震雷火事だから」
「日本の怖いものは」
「そこに親父ってなるけれど」
三つの災害の次に来る怖いものはというのだ。
「実際は台風の方がね」
「怖いわね」
「ここに戦争がないのが救い?とんでもない政治よ」
「いや、災害は絶対に嫌よ」
ウクライナの娘は眉を曇らせて答えた。
「絶対にね」
「そうよね」
「なかったらね」
それならというのだ。
「もうね」
「それでいいわよね」
「何といってもね」
「それじゃあ」
「ええ、戦争と同じだけね」
「災害がないとなのね」
「幸せよ、とんでもない政治だってね」
ウクライナの娘は自分が出したキャンディの一つ黄色いそれを口に入れてそのうえで舐めはじめつつ富美子に話した。
「なかったらね」
「それでいいわね」
「どれも起こったら」
その時はというのだ。
「こうしたものどころかね」
「満足に食べることさえ出来ないわね」
「ええ、そうなるから」
だからだというのだ。
「ないならね」
「それに越したことはないわね」
「本当にね」
「ううん、こうした何でもないことでも」
富美子は今度はオレンジのグミを口の中に入れて言った。
「幸せなのね」
「やっぱりね」
「そういうことね、あと健康だから」
「こうしたものも楽しめるわね」
「身体の調子が悪いと」
そうなると、というのだ。
「満足に動けなくなったり食べても」
「美味しくないのよね」
「ちょっと風邪ひいたら」
それでというのだ。
「それだけでね」
「そうそう、舌が変わってね」
「普段美味しいと思うもの食べても」
それでもというのだ。
「美味しくないのよね」
「味がしなかったりね」
「するわよね」
「私オムレツとか卵焼き好きだけれど」
「寮で朝に出るのね」
「外国人の女の子の寮にもね」
こう富美子に話した。
「出てね」
「それで好きなのね」
「こういったのも体調が悪いと」
その時はというのだ。
「まずく感じるし」
「味がなかったり」
「健康だってこともね」
「大事よね」
「キーヴの親戚だけれど」
ウクライナの娘はこの人の話をした。
「最近何を食べてもね」
「まずいの」
「味がわからないってね」
その様にというのだ。
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