暁 〜小説投稿サイト〜
とある愚者の転生記
麻帆良学園初等部編
第十八話 自分の力がどういうものか理解するんだ
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 夏休みになった。
 誕生日も過ぎ、十歳になった。
 夏休みの最初の2週間は高町家の武闘派組と一緒に山籠もりだ。
 士郎さんや恭也さんの古傷を魔法で治療したら「お礼に」ということで連れて行かれた。
 街中でのトレーニングとはまた違った起伏に富んだ地形でのトレーニングは、常に使わない筋肉とかを使い鍛錬となった。基本、「絶」を使って体力や疲労を他の人とは段違いに回復できるので、けっこうこういったトレーニングでは無理ができる。ただ、それと同レベル以上のトレーニングができる士郎さん、恭也さん、美由紀さんはやはりすごいと思う。
 一応木刀を持って立ち会いとかもさせてもらうが、念で強化してもはっきり言って相手になっていない。
 一度こんなことがあった。
 日が落ちた夜闇の中、目が効かない中で稽古をした。相手の気配や周囲の音から察する稽古なんだが気がついたら首筋に木刀を当てられていた。「円」を使えばなんとかなったが、3人が本気で気配を消すと、こちらが「円」を使ってもぎりぎりまで感知できず、後手後手に回ってしまう。気配遮断能力がハンパないです。どうも古傷が治ったことではっちゃけてるらしい。美由紀さんもここまでキツイ稽古は初めてだと嘆いていた。

 山の中で初めて狩りを経験した。
 狩りというのはつまり、動物を自分の手で殺すことであって、初めて野生の鹿を殺したときはそのあっけなさと死んでいく姿を見て嘔吐した。
 
「自分の力がどういうものか理解するんだ。その力をどう使うかを考えるんだ」
 そう、士郎さんに言われた。
 士郎さん達にとってどうも俺達は危うかったらしい。力の本質をわきまえず、ただひたすらに力を求めているように見えたらしい。
 確かにその通りだ。たまたま得た異能の力、念・魔法。それを持てたことが嬉しかった。転生という知識があったため、必要になるかもというだけでただひたすら鍛えた。その持った力がどれほどのものかも考えもせず………。

 自分の持つ力が人を殺せる力であることを改めて認識した。そんな山籠もりの修行だった。

 これだけで終われば良かったんだが、そうはいかなかった。
 件の鹿を皮切りに野生動物を数多狩った。もちろん全て食べました。自然は弱肉強食だと知りました。

 ちなみに御神流にも気の扱いについての技術があり、こちらが使う技は既に持っているかコピられました。オーラを足から放出し高速で移動する「瞬動」を一目見てマスターしたと思ったら、まだ俺も使えない「虚空瞬動」を説明しただけでマスターして空戦もできるようになりました。
 高町家はホント半端ナイです。



 夏休みも半ばになり、「悠久の風」での活動実績を作るため、魔法世界入りをしました。
 活動実績といっても所詮は小学生、ボランティアの手伝いといったと
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