第3話 母上危機一発 前編
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
夜、何処で何をしているのかしら・・・。
夫にはこのことは伝えていない。
正宗を叱責するのは簡単だけど、何をやっているのかが気になります。
それに最近、領民の間で広まっているあの噂・・・。
麻袋の怪物が山賊狩りを行っているという話です。
正宗が関わっていないと思うのだけど・・・。
怪物の噂が出始めたのは正宗が3歳の時・・・正宗が関わるにしても無理があります。
しかし、気になることがあるのです。
正宗は小さいころから手の掛からない子だった。
ときどき正宗と話していると、大人と接しているような錯覚を受けることがありました。
そんな正宗が珍しく夫と私の寝所に潜りこんできたのです。
あのときの正宗は何かに怯えている感じだったので、やさしく抱きしめてあげました。
そうしてあげると、正宗も安心するのか落ち着いた寝顔を見せてくれました。
初めて子供らしい一面を見た気がして、母として本当に嬉しかったです。
それからしばらくして正宗はぱったりと寝所に潜り込むことは無くなりました。
あのときは母として少し寂しかったです。
それ以後、正宗は男らしくなったとういうか・・・凛々しくなりました。
暇な時間を見つけては走っていました。
何故走っているのと聞くと正宗は「体を鍛えているのです」と言っていた。
最初は、親の色眼鏡と思ったときもありましたが、周囲の者達が口々にいっているのを聞いて、私の思い過ごしではないと思いました。
怪物が領内に出没するようになった時期と、正宗が変化した時期が一致しています。
偶然なのかもしれないです。
ただの杞憂ならいいのだけど・・・本当に正宗があの怪物と関わりがあるというのなら、母としてそんな危険なことから手を引かせなければいけない。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ