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夢幻水滸伝
第三百十六話 ケンタッキーの牧童その十六

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「ここはな」
「左様ですか」
「そうなりましたか」
「ああ、これまでは一人やったが」
 それでことを進めてきたがというのだ。
「これからはな」
「ルイス様、ルイーザ様とですか」
「共に歩まれますか」
「そうなった、一人より三人や」
 こうも言ったのだった。
「仲良くやってくで」
「わかりました、ではです」
「その様にされて下さい」
 二人もそれではと応えた。
「そしてです」
「この世界を救われて下さい」
「そうするわ、あと一つの勢力になったからな」
 三人のそれぞれの勢力がというのだ。
「拠点も変わったわ」
「シカゴですね」
「あの街ですね」 
 二人は即座にこの街だと言った。
「ルイス様がおられる」
「あの街ですね」
「三つの勢力の町の中で一番大きいさかいな」
 だからだというのだ。
「それで交通の便もええし」
「だからですね」
「シカゴとなりましたね」
「僕は基本この街におるけどな」
 レキシントンにというのだ。
「これからはシカゴにもな」
「行かれますか」
「そうされますか」
「そして州都のフランクフォードにもな」
 この街にもというのだ。
「時々でもな」
「行かれますか」
「そうされますか」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「政をやってくわ」
「そうですか」
「そうした街にも足を運ばれ」
「そしてですか」
「治めていかれますか」
「そうしてくわ」 
 まさにというのだ。
「これからこれまで以上にな」
「ご多忙になりますね」
「そうなりますね」
「そや、しかしな」
 それでもとだ、ギンズバーグは考える顔でこんなことも言った。
「一つ課題が出来たわ」
「課題?」
「課題といいますと」
「ケンタッキー州、ミシガン州、イリノイ州のつながりがな」
 三人がそれぞれ勢力圏としている州のそれがというのだ。
「陸路ではな」
「ああ、今一つですね」
「つながっていませんね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「今後はな」
「このことをどうするか」
「それが課題ですか」
「そうなるわ、そのことについてな」
「ルイス様、ルイーザ様と共にですね」
「解決されますね」
「そうしてくことになるわ」
 こう言ってだった。
 ギンズバーグは会談に赴いた、そして帰って来るとこれからは三人だと周りに笑顔で言ったのだった。


第三百十六話   完


                      2023・8・1
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