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夢幻水滸伝
第三百十六話 ケンタッキーの牧童その十五

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「あの、イリノイ州のルイス様ですが」
「ギンズバーグ様とお話されたいとのことです」
「そう言われています」
「あのシカゴの」
 ルイスと聞いてだ、ギンズバーグはまずはこの街を言葉に出した。
「あの人かいな」
「左様です」
「まさにあの方です」
「あの方がそう言われています」
「ギンズバーグ様とお会いしてです」
「お話されたいと」
「そうなんか」
 ギンズバーグはその話を聞いて考える顔になった。
 そしてだ、こう官吏達に答えた。
「話を聞くこともな」
「悪くない」
「そうお考えですか」
「ギンズバーグ様としても」
「そう思うわ、ルイスさんのことは知ってる」
 こうも言ったのだった。
「起きた世界ではな」
「既にですか」
「そうなのですか」
「ええ人や、理知的で温厚で」
 そうした性格でというのだ。
「真面目や、そやからな」
「お話を聞いてもですね」
「問題ない」
「そうなのですね」
「むしろ僕より話がわかる」
 ルイスのことを思い出しつつ話した。
「そうした人や」
「だからですか」
「お話をしてもいい」
「そうだというのですね」
「そう思う、そやからな」
 だからだというのだ。
「ここはな」
「そうされますか」
「この度は」
「そして、ですか」
「今後のことをですか」
「話すわ、しかしな」
 ギンズバーグは考える顔になっていた、そのうえでの言葉だ。
「あの人は信頼出来るわ」
「完全に、ですね」
「そうした方ですね」
「そうなのですね」
「そういえばです」 
 ここで官吏達も言った。
「あの方は善政を敷いておられるとか」
「イリノイ州は非常にまとまっているとか」
「特に医療面がしっかりしていて」
「非常によいそうですね」
「その話も聞いてるしな」
 だからだというのだ。
「この度はな」
「お話してもですね」
「何も問題はない」
「そうなのですね」
「間違いなくな」
 確信を以ての言葉だった。
「そうなるわ、ほな返事はな」
「会談の申し出を受ける」
「その様に使者の人にも伝えますね」
「そうされますね」
「そうするわ」
 決断を下した、そしてだった。
 ギンズバーグは使者にその様に答えるとその後で実際にルイスとの会談の場に赴いた。その時はルイーザも一緒で。
 レキシントンに帰ってだ、彼は周りに笑顔で答えた。
「これからは三人でや」
「やっていかれますか」
「ルイス様達と」
「そうなったわ」
 レキシントンの市長とダークエルフの老人に答えた。
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