第百十八話 次第に知っていってその十
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「私がアドバイス出来たらね」
「してくれるのね」
「何ならうちに来て」
愛はこうも言った。
「お酒も飲んだらいいわ」
「そうしたらいいの」
「ストロング系なんか買って」
こちらの酒をというのだ。
「おつまみも買ってね」
「飲んで食べるの」
「もう嫌なことがあったら」
その時はというのだ。
「お酒を飲んで忘れることもね」
「大事なのね」
「そうよ、それでね」
そのうえでというのだ。
「嫌なことは忘れて」
「またやっていくのね」
「何があっても自殺とかしないことよ」
真剣な顔と声でこうも言うのだった。
「いいわね」
「自殺ね、よくしたら駄目だって言われるけれど」
「死んだらそれまでよ」
何もかもが終わる、そうした言葉だった。
「少なくとも今の人生はね」
「それで終わりね」
「それで生まれ変わっても」
自殺してそうしてもというのだ。
「何か自殺って業が深いみたいで」
「地獄に落ちるのよね」
「キリスト教でも言われてるけれどね」
この宗教では完全にそれも強く否定されている、ダンテの神曲でも自殺した者は木に変えられ枝等を責められ続けている。
「仏教でもね」
「悪いこととされていて」
「地獄に落ちるし」
自殺すればというのだ。
「大体自殺してもいい心境か」
「もうどうにもならないと思ってするわよね、自殺って」
「そうよ」
そうしたものだというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「絶望しきって自分から死ぬって嫌でしょ」
「絶望したまま死ぬって」
「もうこれ最悪よ」
何と言ってもというのだ。
「誰だって絶対に死ぬけれど」
「それは避けられないのよね」
「ええ、けれどね」
それでもというのだ。
「どうせ死ぬならね」
「幸せな気持ちで死にたいわよね」
「だからよ」
それが為にというのだ。
「自殺はね」
「したら駄目ね」
「どうせ死ぬなら最高に幸せな気持ちで死んで」
そうしてというのだ。
「死んだ後でね」
「いい生まれ変わりをすることね」
「死んで地獄に行きたくないでしょ」
「それはね」
「他にも餓鬼道とか畜生道とかあるけれど」
「畜生道って生きものよね」
「そうよ」
愛はその通りだと答えた。
「要するにね」
「まだそれならって思えるけれど」
「地獄は嫌でしょ」
「餓鬼もね」
こちらもとだ、咲は言うことを忘れなかった。
「やっぱり」
「そう思うならよ」
「それならなのね」
「もうね」
「自殺はしないことね」
「自殺する位なら逃げるか閉じこもってでもやり過ごす」
「そうすることね」
「逃げたら駄目な時だってあるわよ」
生きていればというのだ。
「そんな時もね。けれどそれ以外どうし
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