第七幕その七
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「写真集もです」
「出るんだね」
「そうみたいですよ」
「それはいいことだね」
先生は笑顔で言いました。
「やっぱり注目されることはね」
「いいことですね」
「芸能界ではね、そのうえでね」
「落語もですね」
「頑張ってくれたらね」
そうしてくれたらというのです。
「最高だよ」
「落語の勉強と動画配信も頑張っておられるそうで」
「それは何よりだね」
「全くですね」
「これからも頑張って欲しいよ」
先生は笑顔で言ってでした。
王子も来て皆で晩ご飯を食べます、この日は蛸のお刺身と鱧のお吸いものそれにお野菜の和えものといったメニューですが。
先生はお吸いものの中の鱧を食べつつこんなことを言いました。
「東京の方では鱧は食べないんだよね」
「あっ、そうなんだ」
一緒に食べている王子もそれはとなりました。
「あっちじゃそうなんだ」
「うん、あと昆布もね」
こちらもというのです。
「だしに取らないんだ」
「何処でも鱧を食べるって思っていたよ、僕は」
「東京でもだね」
「うん、食べるってね」
その様にというのです。
「思っていたけれど」
「それがなんだ」
「あっちじゃだね」
「鱧は食べないんだ」
「それで昆布もだしに取らないんだね」
「そうだよ」
「こんなに美味しいのに」
お吸いものも飲みつつです、王子は心から思いました。
「そうなんだね」
「そうだよ、だからね」
それでというのです。
「そうしたことを覚えておくこともね」
「大事だね」
「日本の食文化を学ぶにあたってね」
「大事だね」
「それで日本のお料理は江戸時代にかなり形成されたんだ」
この時代にというのです。
「今の和食の原型はね」
「江戸時代になんだ」
「かなり形成されたんだ」
「そうなんだね」
「そして落語も江戸時代に形成されたから」
そうなったからというのです。
「落語にも江戸時代の食事が出るんだ」
「そうなるんだね」
「東京の方で目黒の秋刀魚のお話があるけれど」
「江戸時代に秋刀魚を食べていて」
「そこからだよ」
「成程ね」
「東西の食文化の違いはね」
それはというのです。
「しっかりとね」
「落語にも出ているんだね」
「そうだよ」
「何かです」
トミーは蛸のお刺身を食べながら先生に言ってきました。
「あちらのお話が武士の人がよく出ますね」
「江戸の落語ではだね」
「はい、それがこっちだと」
「あまり出ないね」
「そんな気がします」
「それは当然だよ」
先生はトミーにも答えました。
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