第七幕その九
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「昔から困ったところが多い」
「張飛さんは」
「お酒飲んで暴れたり」
「かっとなったり」
「そうしたところがあって」
「それで、ですね」
「オズの国ではそうしたところはなくなったが」
それでもというのです。
「いびきはかえって酷くなったからな」
「ううむ、おいらは何かしらあるな」
自分で言う張飛さんでした。
「昔から」
「強くて侠気はあるのだが」
大きな耳を持っていて白いお顔で整った雰囲気の人が言ってきました。着ている服は見事な中国の礼装で色は黄色です。
「張飛は何かしらあるからな」
「劉兄貴もそう言いますね」
「実際そうだからな」
「いや、劉兄貴にそう言われると」
「聞けるか」
「どうしても」
「この人は確か」
ジョージは大きな耳の人を見てはっとなりました。
「劉備玄徳さんですか」
「如何にも」
ご本人からその通りという返事でした。
「私が劉備玄徳だ」
「やっぱりそうですね」
「今はオズの国でだ」
「楽しく過ごされていますね」
「関羽に張飛他の蜀の者達とな」
「そうされていますね」
「いや、かつてはな」
劉備さんはお酒を飲みつつ言いました。
「私も何かとあった」
「そうだったんですか」
「そして張飛もな」
「お酒飲んで暴れたり」
「かっとなったりとな」
「そうだったんですね」
「そうだったがな」
それでもというのでした。
「今ではいびき位だが」
「そのいびきがですね」
「何とかなるならな」
「それでいいですか」
「うむ、ではこれからはな」
「はい、薬飲みます」
張飛さんもそれはと応えました。
「これから飲んだ後は」
「そうするのだ」
「迷惑になりますからね」
「そうだ、いびきも自覚はないがな」
それでもと言う劉備さんでした。
「やはりな」
「迷惑ならですね」
「そこは何とかするのだ」
「出来るならですね」
「そういうことだ、しかもだ」
劉備さんはさらに言いました。
「お主は酒好きでな」
「殆ど毎日飲んでいますしね」
「魯智深殿や李白殿と一緒にな」
「いや、酒はです」
「好きで好きで仕方ないな」
「おいらは」
張飛さんもそうだと答えます。
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