第三十七話 退院その十
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「五人のうち四人とはな」
「会ってだな」
「話してるで、しかしな」
空汰はさらに言った。
「ほんま誰もな」
「悪い印象はなかったな」
「ああ、わいが自分と会ってすぐに封真さんと会ってもな」
「一緒に俺を気遣ってくれたな」
「ほんま全くな」
それこそというのだ。
「悪い印象受けんかったわ」
「むしろもう一人の神威さんで」
護刃は封真をこう評した。
「神威さんと根は同じでも大人で穏やかな」
「あいつはそうだな」
「そうした感じの人でしたね」
「この前会った時思ったか」
「はい、いい人です」
「そうだよね」
玳透も応えて言った。
「あの人はね」
「もう一人の神威さんですね」
「そうした印象を受ける」
そうしたというのだ。
「いい人だったよ」
「そうでしたね」
「僕もそう思ったよ」
「私もです」
「そしてだね」
「はい、私も空汰さんと一緒に地の龍の人達とお会いして」
護刃は玳透に話を返した。
「悪い印象はです」
「受けなかったね」
「全く」
そうだったというのだ。
「本当に」
「そうだよね」
「むしろです」
さらに言うのだった。
「いい印象を受けています」
「そうなんだよね」
「同じ人間しかも」
「いい人達だね」
「そう思います」
地の龍の面々もというのだ。
「本当に」
「戦うのは善と悪ではない」
嵐はこう言った、その目にはいつもの鋭さがありそれと共に澄んだ凛とした芯の強いものも存在していた。
「そういうことでもあって」
「戦う相手が悪人ともか」
「違うわね」
神威にも述べた。
「そうね」
「そういうことだな、それで封真も快くいるならな」
地の龍の中にというのだ。
「それならな」
「いいのね」
「俺としてもな」
そうだというのだ。
「嬉しい」
「そうよね」
小鳥は神威の今の言葉に頷いた。
「お兄ちゃんがそうなら」
「俺も小鳥もな」
「嬉しいわ」
「全くだ」
「本当にね」
「ではだね」
昴流がここでその神威に言った。
「君達は戦いが終わったら」
「三人共生き残ってな」
そのうえでというのだ。
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