38:はじめての友達
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っと損傷したままダヨ。だから一度逃げられても、まだ仕留めるチャンスはあるヨ! 逆に言えば、モンスターの部位アイテムがたくさん欲しいからって、部位破壊してから再生するまで待つのは時間の無駄ダヨ。覚えておけよナ!】
と、頬にヒゲのような刺青らしきものがあるフードを被った女の子の、お茶目顔のデフォルメイラストを添えて解してあった。
「え……」
しかし、ボクはそのポップなイラストの顔とは正反対に、絶望の淵に落とされ、顔からサーッと血の気が引いた。
モンスターの場合は、ずっと損傷したままダヨ……だって?
「…………そ、そんな……」
ボクは頭が真っ白になり、顔を伏せる。
心なしか、膝の上のユニコーンもその目を陰らせた。
ボクは……途端に言う事をあまり聞かなくなった手で、その鬣を撫でる。
「…………ごめんねっ……」
そう、謝罪の言葉が口からこぼれていた。
……泣きそうだった。
「ボクは……キミを、治してあげる事もっ……できない、みたいっ……」
救いたくでも、救えない。
覆しようも無い事実。
なんて無力。
ボクは……仔馬一匹、救うこともできない。
同じ苦しみを味わう子を、助けてあげることもできない。
人とこの子は、互いに信じあえるのだと……証明し、教えてあげることもできなかった。
申し訳なくて悔しくて、瞼に涙がみるみる溜まっていくのを止められなかった。
対してユニコーンは、表情の読めぬ赤い目で、ただボクをチラリとだけ見た。そしてまた顔を逸らし、それでもまだボクに体を預け続けるという、意図の読めぬ仕草を返してくる。
「ごめんねっ……ごめんねっ……」
このボクの涙声に、返ってくるものは、なにもなかった。
ただ……虚しい時が流れる。
「……………」
その伏せて先程より下がった、涙でぼやける視点で。
ぼんやりとした頭で、たまたま目に入った本のページの端っこにある文章を、なんとなく読んだ。
「……オネーサンの……ムダ、知識コーナー……? ハッ、ハハ……」
笑えなさ過ぎて……もう、なんか逆に笑えてくるや……。
して、その内容は……
……。
……………。
「……………。…………ん!?」
そこを読んだボクは、くわっと目を見開いた。
そこには、こう書いてあった。
【オネーサンのムダ知識コーナー:ちなみに、モンスターの部位アイテムが複数欲しい場合、通常は一個体につき部位アイテムは一個のみで部位破壊後には再生しないけれど……その部位に《回復結晶》を使ってやると、なんとその部位が再生するヨ。けど、ぶっちゃけ同名Mobを乱獲した方が手っ取り早いし、絶えず動き回る戦闘中にその部位に回
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