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ソードアート・オンライン リング・オブ・ハート
38:はじめての友達
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したら単に落とし穴トラップによるものだけなのかも知れない。けれど……

(キミは……この傷を、人間であるボク達……プレイヤーから受けて、今までずっと怯えて逃げてきたんだね……?)

 そう、直感した。

(この子も……ボクと同じだ……)

 確かに、このままではボクはあっけなく命を散らせるかもしれない。
 これは、全く意味の無いことなのかもしれない。

 ――けれど、ボクと同じ苦しみを知る、この子を救えるのなら……ボクは……それでもいい!!

 心の中で、胸に込み上げる熱い何かが、爆発するかのように力強く燃え上がった。

「お願いっ……ボクを、信じて……!」

 そう感じた時には、ボクは強くその子を抱き締め、顔をその鬣の中に埋め、この小さな身体を小さなユニコーンに預け、託した。
 しかしユニコーンは暴れ続け……ボクのHPはついに残り5割にまで減ろうとしていた。

「ひっ…………〜〜〜〜っ!」

 死の淵に近付きつつある、今にも口から吐き出されようとする恐怖の叫び声を、唇を強く噛んで息を押し殺し、必死に耐える。

(ボクが怖がっちゃダメ……! 信じてもらえるために、この子を、信じるんだ……!)

 バーがイエローに変色した時点でボクは目をきつく閉じ、強く強く、この子を抱き締めた。

 ……モンスターを介抱するということも、信じてもらおうと抱き締めることも。今ボクがしている事は、これまで誰もが聞いたこともない行為だ。
 こんなことをする意味が分からないと、きっとボクは大勢の人から大笑いされるような事をしていることだろう。

 ……そう。
 この世の中は……とても冷たい。
 ……ボク達のような存在にとって、生きていくのにとても苦しい世界だ。

 けれど。

 違うのだ。

 ――こんなの世の中でも、キミのことだって親身に思える……そんな(ひと)がいる事を、ボクは知っている。

 それを、ボクはこの子に知って欲しい。

 だから。

 ――おねがい。
 ――だいじょうぶ。
 ――キミを助けたい。
 ――信じて。

 バクバクと心臓が爆発しそうな鼓動の中、そう想いを込めて……
 ボクはこのユニコーンをただただ抱き締め、『信じた』。

 ………
 ……
 …


 ―――――――。


「……ふ、ぅ……ふ、ぅ……」

 それから、十数秒は……経った、と……思う。

 …………ボクは、生きていた。
 聞こえてくるのは、ボクの未だトクトクと激しい鼓動と、押し殺した息遣いだけ、だった。
 ユニコーンは、暴れるのを止めていた。
 目を開ける。
 ……ボクの残りHPは、奇しくもこの子と同じ、残り約2割といったところだった。

「……キミ
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