38:はじめての友達
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いるという……そのリアクションが余りに生々しすぎる。まるで本物の生き物の心でも入っているかのようだが……残念ながら、そんなことはどう考えてもありえない。
実際の生き物と比べ、この世界のモンスターの情緒行動は、悲しくもシステム的にどうしてもシンプルになってしまうはずなのだ。
なのにこの違和感は、一体どういうことなのか……。
ボクはその姿を観察し、考察を重ねる事、数秒。
「…………え……あっ……!?」
そしてボクはようやく、その違和感の原因に気づいた。
ユニコーンの四本足の内の一本、後ろ左足に酷い怪我を負っていたのだ。
なにもこの仔馬は、他のモンスターよりも特別情緒豊かで恐怖に打ち震えていたわけではなかった。足の一本を負傷し、倒れながらも普通に非好戦的モンスターらしく怯え、そして逃走型レアモンスターらしく普通に逃げようとしていただけだったのだ。
だが、ボクにとってはそんなMMOゲームのプログラム的結論など、どうでもよかった。
「い、今すぐ治してあげるからねっ!!」
ボクはユニコーンに駆け寄る。するとそれに比例して逃げようとする動きの激しさが増すが、ボクは構わす傍で再び腰を下ろし、ユニコーンを抱きかかえる。
その途端……
「ぅぐっ!? ……ゲホッ、ゲホッ!」
ボクの腕の中でユニコーンが大きく暴れた。そのもがく足が、ドスッと思い切りボクの腹部にめり込んだ。……曲がりなりにも馬型のモンスターということか、その足の脚力は強靭で、ボクのHPはガリッと目に見えて減った。
「お願いっ……いい子だから……大人しくしてっ……!!」
それでもユニコーンは言う事を聞かない。
暴れ続け、その足が何度もボクの体を強く殴打し……ただでさえ防御に難のあるビルドであるボクのHPは恐ろしい速度で減っていく。
「……〜〜っ!!」
それに、ゾクゾクッと背筋が凍るような本能的な恐怖を覚える。
そう……思えば、この子もモンスターなのだ。
……《敵》なのだ。
だから、こんな真似をしたって、プレイヤーであるボクはミストユニコーンという名のプログラムの集合体に……殺されるだけ。
そんなの分かってる。
でも。
殺されてしまえば。
死んでしまう。
……怖い。
そう思った。
……けれど。
(あっ……!?)
……けれど、ボクはその時、見てしまった。
この子がボクに攻撃した事により、戦闘のターゲット状態となり……ボクの視界には、この子の頭上に《ミストユニコーン》という名前と黄色のカーソル、そして《HP》が表示されていたのだ。
そして……そのHPは、既に危険域にまで減っていたのだ。
そのダメージと足の酷い傷は、もしか
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