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八条学園騒動記
第七百十八話 多くの鳥達その九

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「その統治は穏健で公平だったが」
「それでもですね」
「古来あの国は日本を格下と見ていたが」
 それでもというのだ。
「その日本にだ」
「併合されて統治された」
「そのこと自体がだ」
 まさにというのだ。
「屈辱でな」
「格下の相手にそうなり」
「それでだ」
「今もですね」
「ある大統領が千年恨むと言ったが」
 韓国初の女性大統領だった、その父親も大統領だった。
「しかしな」
「千年以上ですか」
「怨んでだ」
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「今もですか」
「あの国はまずだ」
「日本ですか」
「あの国を見てだ」
 そうしてというのだ。
「敵視している」
「そうなのですね」
「先程話した通りにな」
「そうした国もありますね」
「連合にはな」
「そうなのですね」
「そうだ、尚だ」
 ここで大尉はこうも言った。
「頭が幾つもあるとな」
「生きものに」
「それは問題だ」
「生きるにあたって」
「実際はな」
「頭は一つでないと」
「もうだ」
 それだけでというのだ。
「生きるにあたってな」
「問題ですか」
「そうなのだ」
「脳ですね」
 上等兵は鋭い目になって言った。
「脳が二つありますと」
「そうだ、複数だとな」
「脳は非常に多くのエネルギーを消費します」
「頭脳をよく使うと太らないな」
「学校の勉強でもそうですね」
「それは何故かというとな」
 大尉はこのことからも話した。
「脳を働かせるとな」
「多くのカロリーを消費するからです」
「だからだ」
「脳をよく使うとですね」
「学校の勉強なりをしてな」
「そうすると太らないですね」
「そうだ、脳は非常に多くのカロリーを消費する器官だ」
 身体を動かしかつ思考も行う。脳と心臓が生きものが生きることについて最も重要な部分であることは言うまでもないことだ。
「だからな」
「その脳が複数あるとですね」
「カロリー消費がだ」
「恐ろしいまでになりますね」
「だからだ」
 その為にというのだ。
「頭はな」
「普通は一つですね」
「しかも考える部分が複数だとな」
 大尉はさらに話した。
「思考がまとまらないな」
「そうなりますね」
「韓非子だったか」
 大尉はこの書の名を出した。
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